2006年09月02日

欧米の伝統「分割統治」

 朝鮮の伝統として、拉致、拷問、捏造などが知られている。一方、欧米の伝統には「分割統治」があるが、こちらはあまり知られていない。

 欧米の分割統治とは、少数の民族や華僑に特権を与えて大多数の現地人を支配させ、その上に欧米人が坐るという支配のしかたのことである。我が国が特定アジアから厚顔無恥に「歴史を反省しない」と言われっぱなしであるのに対し、欧米がアジアやアフリカの植民地から利益と奴隷を奪うような悪政でも文句を言われない要因の一つは「分割統治」の仕組みと考える。

 そこで、今回は、この耳慣れない「分割統治」をテーマとしたい。この分割統治の歴史は、意外と古く紀元前までさかのぼる。

・一都市国家ローマが地中海の支配者に
 一冊でわかるイラストでわかる図解世界史
 ローマは対外的には、前4世紀以降、近隣の都市や諸民族と戦い、領土拡大を続けていた。前3世紀前半、南部のタレントゥムを占領し、イタリア半島を統一した。このときローマが行った他都市の支配は、都市毎に格差をつけた処遇を施す分割統治といわれるもので、こうした政策がのちのローマ帝国による支配の原型となった。

 大東亜戦争にて敗戦後、ビルマ方面にいた日本軍がビルマのアーロン収容所で英軍によって分割統治された。日本兵を監督するのに現地のビルマ人ではなくインド兵などにやらせ、その上で英軍が命令するやり方であった。英軍と日本兵の間にインド兵を介すことで日本兵から直接恨まれることを避けてきた。

・捕虜の見た英軍
 アーロン収容所  [著]会田雄次
「イングリ」とインド兵
(前略)

 インド兵はいつも英軍に実権を握られ、おどおどしている。なるほど階級はそれぞれついているが、インド士官の命令系統にイギリス人の兵が入っているということはない。イギリス本国兵は新兵でさえ、インド人に対しては士官であろうが下士官であろうが、まったく無視するような様子を見せていた。無理に軽蔑しているのでもなく、腫れ物にさわるように触れないようにしているのでもない。インド兵の存在を認めないような態度である。私たち日本人にもイギリス兵が話しかけることは絶無に近かったが、インド兵とイギリス兵が、何かの公的な交渉意外に話を交えているのも見たことはない。よくまあインド人はこのような最高の屈辱に耐えられるものだと感心するよりはほかはない。

 インド兵は割合寛容で、仕事についてもあまりうるさく言わないのが普通である。しかし、上官のイギリス人からやかましくいわれるためだろう、むやみに仕事をさすことがある。無理を言うなというわけで交渉してみると、イングリがやかましく言うから仕方がないという。しかも困るのは、どうも英軍のご機嫌をとって自分の成績をあげようとするものがあることである。

 インド人はみんなイギリス人を「イングリ」といって極端に恐れる。(中略)

 インド兵はこちらの文句に対し口癖のように言った。
 
 「自分はそうは思わないのだが、イギリス人がそうせよと言うのだ。仕方がない。やってくれ」
 
 私たちは捕虜である。仕方がない。しかしインド兵が心からそう思っているらしいのはまことに淋しかった。インド軍はイギリスから協力を要請されて戦ったのではないか。対等のはずではないか。インド人、それはイギリス人に対するとき、どうにもならないほど弱々しく、卑屈で不安気であった。私たちに対してさえそうであった。調子にのった日本兵は、監督のインド兵に対し「おいインド、つぎは何をするんだ」という対応をするようになった。ことばは通じなくとも調子でわかる。怒りだすインド人もいたが、多くは何事もなかったように英語で対応した。

(後略)

 引用していないが、更に巧妙と感じたことは、現地の親日ビルマ人と日本兵の間にインド兵を介すことで、ビルマ人とインド兵の間に対立構造を生ませることである。分割統治、恐るべし。

 この分割統治による日本への弊害などを次の記事に少し加筆したので、興味のある方は一読願いたい。

8月15日は「終戦記念日」ではない
 ※郵政選挙にみる小泉政治の分割統治
世界中で靖国神社は批判される!
 ※大東亜戦争時代のアメリカによるフィリピンの分割統治

追伸
 GHQ主導の教育基本法制定時にも、日本側とGHQとの間に「連絡委員会」を介す構造がつくられた次の様をみると分割統治による支配がなされたと考える。GHQの占領中で日本に主権がなかった時代に、姑息な分割統治の方法で押し付けられた国際法(ハーグ条約)違反の教育基本法が国民にとってありがたいはずがない。そのうち、この書籍を購入してみたい。

戦後教育を歪めたGHQ主導の教育基本法

戦後教育を歪めたGHQ主導の教育基本法
国会議論の焦点「国を愛する心」「宗教的情操」「教育に対する国の責任」を問う

椛島有三・江崎道朗/著
現行教育基本法の制定過程をつぶさに調査した結果、浮かびあがってきたのは、日本側とGHQとの間におかれた「連絡委員会」の存在だった。あたかも日本側が独自に取り組んできたかのように装いながら、GHQの意向を反映させるリモートコントロールの役割を果たしたこの委員会は、“Steering Committee”(舵取り委員会)と呼ばれていた。与党改正案は、果たして戦後教育の歪みを克服するものといえるのか。
関連図書→
教育激変
―新教育基本法案がめざす「家庭」「学校」「日本」の10年後
今、なぜ教育基本法の改正なのか…現行教育基本法の問題点

定価 税込420円 (本体400円)

ISBN 4-944219-44-X
判型・頁数 A5判・48頁
発売 2006年8

※書店流通は8月下旬予定です
※本書についてのご注文は、原則として、日本会議からのお取り寄せとなります。
 お申込・お問合せは
03-5428-3723までお願いします。


主な内容
第一章 教育基本法「自主制定論」の虚妄
 いまなお文部科学省を呪縛する米国教育使節団『報告書』…日本会議事務総長 椛島有三

 教育基本法は日本人が独自に制定したのか
 四大指令によって解体された日本の教育
 GHQの間接支配の象徴「舵取り委員会」
 コントロールされていた教育刷新委員会
 「愛国心」を否定してきた「個人の尊厳」規定
 「国を愛する態度」ではなぜ不十分なのか
 「宗教的情操の涵養」を否定している第九条
 価値観混乱を示す「いただきます」論争
 「国家の責任と権限」の分散――教育基本法第十条
 占領政策を克服する教育基本法改正を


第二章 教育基本法の理念はGHQの密室介入の産物だった
 「愛国心なき個性尊重」も「両性の特性に配慮しない男女共学」も「不当な支配」もGHQによって押し付けられたものだった…日本会議専任研究員 江崎道朗

 国家の独立が問われている
 自主的な教育改革を否定したGHQ
 リモート・コントロール
 第一の介入――「愛国心」の排除
 「不当な支配」もCIEが強制
 「伝統を尊重して」も「宗教的情操」も削除
 「舵取り委員会記録」が示すGHQの介入
 「属国の悲しみ」を克服せよ

【関連記事】
・(H18.6.11)マスコミで今も続くGHQの検閲の仕掛け

【参考書籍】
一冊でわかるイラストでわかる図解世界史―地図・イラストを駆使 超ビジュアル100テーマ
成美堂出版
ASIN:4415103332 /大型本/167頁
発売日:2006-08
ランキング&評価:---位
価格:¥ 1,365 [2006-09-02 Amache]
No User Review


アーロン収容所
中央公論社 [著] 会田 雄次
ASIN:4122000467 /文庫/244頁
発売日:1973-01
ランキング&評価:---位 5.0
価格:¥ 600 [2006-08-15 Amache]
5 - 日本国民の財産としての捕虜体験の記憶−−この記憶を生かすのは我々である。
5 - 優れた人間観察の本
5 - 軍人でない人の、戦争が終わった後に始まる戦記です
5 - 異民族が交錯した場所
5 - 他者を知るための必読書

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posted by こん at 21:52 | Comment(4) | TrackBack(1) | 政治
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これだけは知っておきたい大東亜戦争ー20の最新基礎知識
Excerpt: これだけは知っておきたい大東亜戦争−20の最新基礎知識日本会議事業センター/企画http://www.meiseisha.com/大東亜戦争についての基礎的な歴史事実を、簡潔・平易にまとめた入門書。開...
Weblog: 草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN
Tracked: 2006-09-03 08:01
この記事へのコメント
「アーロン収容所」は手元にあります。人種差別や英国の統治方式なども面白いんですが、捕虜になったあとの日本兵がどのような体験をしたかについて、かなり客観的に書かれています。
 ある種の「旅行本」のように読んでみると、歴史に関心がないひとにも面白く読めそうです。

 BC級戦犯の裁判に関しては「孤島の土となるとも」「北京収容所」などもおすすめです。

Posted by 野良猫 at 2006年09月05日 21:44
 お知らせありがとうございます。
 早速「北京収容所」の注文をしました。未読の書籍が山のように積んであるのでいつごろ読めるかわかりませんが。例えば、経済関連だけにおいては、次の先生方の作品が併読などにより完読できないまま置いてあります。

 丹羽春樹、ヴェルナー、吉川元忠、石原慎太郎、森田実、植草一秀、竹中平蔵、榊原英資、堺屋太一、経営者(松下電器、ソニー、キヤノン、IBM)

他の人には関心がないかもしれませんが、自分が気になったことを比較しないと気がすまない性格なので許してください。おかげさまで当月は読書月間にしてBLOG更新を停止する決心がつきました。

さて、「アーロン収容所」は私も大好きです。内容の面白さだけではなく、当時の日本兵の情景を上手に描写する文章の巧さ、著者の当時の怒りをユーモアに表現する器の大きさに対しても著者の故会田さんに敬意を払います。

大東亜戦争に関して「太平洋戦争の謎―まだ終わっていない!?日米対決の軌跡」という書籍をこの間読み終えました。ミッドウェイにて敵の機動隊の3倍の兵力で負けた世界最強の日本艦隊の謎や、神風特攻隊をつくらざるを得なかった悔しい原因などが当時の状況と共にわかりやすく書かれてます。多数の史料を読んでいるわけじゃないので妥当性はわかりませんが、納得性が高く面白く読めました。最近のお勧めです。
Posted by こん at 2006年09月06日 01:23
http://blog.goo.ne.jp/ara66
このブログの管理人、自分の意見にそぐわない人に対して暴言を吐いています。
しかも、
http://blog.goo.ne.jp/ara66/e/c03a90d00b95fc884e01e7d4006b5897
天皇陛下を侮辱している。
精神異常者の何者でもない。
Posted by 匿名 at 2006年09月12日 23:31
勇ましいことばっか書いてるね。
この人、「ヘイトクライム」って言葉、知ってるのかな?
Posted by まぁまぁ at 2006年10月16日 21:43
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