2009年06月10日

松下幸之助「日本の税金は今の半分でも国家運営は可能である」

 以前、下記記事にて、松下幸之助さんと竹下平蔵氏の書籍を比較させて頂いた。松下幸之助さんの思想と竹中氏の思想が間逆であり、日本をより良い方向に導くためには、松下幸之助さんの思想を選択すべきであると確信めいたものが当時あったかと思うが、その思いは今でも変わらない。

・(H18.11.3) 人をつくること

 もっと松下幸之助さんの思想を学びたいと思うのだが、氏の書籍が膨大なため私にとって選定が難しかった。下記書籍を切っ掛けとして、思想が凝縮された書籍「松翁論語」(PHP)の存在を知った。

・松下幸之助 p148
 天才と本質 歴史に確かな業績を残した20人の知恵
 経営の神様と言われ、長命でもあった松下幸之助の残された著作は膨大である。経営は言うまでもなく、経済、政治、社会、教育、家庭、人生論、はては宇宙論にまで及んでいる。

 読者も氏の著作の1〜2冊は読まれたことがおありであろう。なかには、長年のファンでかなりの翁の著作を読破してこられた方もおられよう。
 
 実際のところ、著者の江口氏が勤務する京都のPHP本部には松下翁に関する資料をおさめた耐火金庫があり、ひとりの資料でこれほど膨大かつ精緻に収集された場所は世界にも例がないという。たとえば、3,000本の録音テープがあり毎日1時間話したとして8年分以上になるというのだ。

 翁はたしかに広大な領域に関心を持たれ多くの読者に指針となる思想・言葉を述べておられる。ではその土台となっている根本の思想なり考え方は何かとなると、いまひとつ掴み切れないというのが本当のところではないだろうか。

 松下幸之助述、江口克彦記「松翁論語」(PHP)は実はこの答えに応えてくれる唯一の本といっていい。

 
 著者の江口氏はPHPで20年以上にわたって翁とともにありその著作の編集や昼夜を分かたぬ接触を通じて翁の思想や言葉をまるでシャワーのように浴び続けられた稀有な経歴の持主だ。
 
 この本は氏が松下翁から直接きいた話、著作のなかで感銘した言葉、さらには接した多くの人から聞いた言葉を「論語」のひそみに倣ってまとめたものだ。
 
 同書がすばらしいのは、本編もさりながら、「まえがき」がすごいのだ。

 江口氏は松下幸之助氏の思想を長年聞いているうちに、その思想のなかに2本の思考軸があることを「発見」したのだ。それは、全著作に「貫かれたもの」であり「ものさし」のようなものであった。このことが、「まえがき」の10数ページに書かれている。

 横の思考軸は「多くの人たちの知恵=衆知を集める」であり、縦の思考軸は「天然自然のなかから真理=自然の理法を見いだそうとする」思考軸である。

「衆知を集める」思考軸は松下幸之助の経験則から生み出されたもので人一人の知恵は知れており多くの人たちの知恵を集めれば偏りのない優れた答えが得られる可能性が高くなるというものだ。そこでは衆知を集めるのに「素直な心」が重要であると言っている。

「自然の理法を見出す」思考軸は、宇宙には「根源」が存在しておりそれが万物を生み育成し生成発展させており、その生成発展こそ「自然の理法」であるとし、集められた衆知がこの自然の理法に合致するかを照合するための思考軸である。

 著者によれば、松下幸之助の著作は決してその場その場の思いつきで書かれたものではなく、この2つの思考軸を駆使しながら、考え考え考えぬいて抽出され、練り上げられたもので、一見平凡の考えでも翁なりの深い思索が込められているという。

 では本文の言葉を例によってアット・ランダムに拾い出しこの2本の思考軸の存在がどの程度感じられるか試みてみよう。

・松翁論語
● 願いが深く強ければ、念波となって必ず相手の心に届くだろう。
● 宇宙人間万物は、根源から生み出されたものである。
● 衆知こそが最高最善の知恵である。
● いっさいのものは、大きな自然の恵みによって生かされているのだ。
● 雨がふれば傘をさす。至極簡単、当たり前のことを適時適切に実行するところにこそ、商売の秘訣がある。
● 経営をすすめるとき、気宇は大きく、神経は濃やかでなければならない。
● 学問も宗教も芸術も、その根本は宇宙の法則の解明でなければならない。
● 諸行無常とは、万物流転ということであり、生成発展ということだ。
● 宇宙根源は監督、人間は主将。
● 愚人の経営もいけないが、賢人の経営もいけない。衆知による経営でなければならない。
● 苦労しながら一つひとつ積み上げていくことが、結局は、ものごとを早く確実に成熟させる近道である。」

松翁論語



PHP研究所

ASIN:4569543545 /−/301頁

発売日:1994-04

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ --- [2009-06-09 Amache]



 
紙幅の制約もあり例示はここで止めるが、いかがであっただろうか。

思考の2軸を意識的にすることで、本文の読みが深まったように感じられませんか。

 本書を精読し翁の思考法を学んだ上で前に読んだ翁の著作を読み直しするとまた新たな発見をするかもしれません。

天才と本質 歴史に確かな業績を残した20人の知恵



アーカイブス出版 [著] 竹下 和男, [編集] アーカイブス出版編集部

ASIN:4903870375 /単行本(ソフトカバー)/216頁

発売日:2008-01-07

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-06-09 Amache]
No User Review




 早速、購入してみた。「小さな政府によって財政支出を減らした痛みを伴う構造改革の後に待っていたのが減税ではなく、消費の増税だった」ということにマスコミが問題提起しない現実をみていると、逆に私の考え方が間違っているのかと思い返したりもする。しかし、この本を読んでみて、これまでの考え方で良かったのだとの確信に至った。

 以下、私の価値観でも、本文の言葉を拾い出してみた。

・松翁論語
● 税金を国民から取るのは当然と考えるばかりか、増税することに痛みを感じない為政者は失格である p50
● なぜ本格的な政治研究所ができないのか。税金を3分の1にしたら政治はどうなるか、政治の無駄をどう改善すべきか、政治の生産性を高めるにはどうしたらいいのか。立場にとらわれずに真剣に研究する期間がどれほどあるというのだろうか。p149
● もともと日本は多民族多言語国家ではない。だから、日本はそうした国よりもはるかに費用が安く、政治ができなければならない。日本時は、もっと安い税金で、もっといい政治ができるのだという考えをもつべきだ。私の思うところ、日本の税金は今の半分でも国家運営は可能である。p70
● 政党で選ぶより、国家国民のために働く人、政治を良くしようという真の志をもった人を選挙すべきだ p99
● 政治、行政の進め方に徹底した工夫改善を加え、その生産性を高めていけば、国費の一割程度の余剰を生み出していくことができるはずだ。それを年々積み立てていけば、100年、200年の間には、その蓄積による金利収入だけで国費のすべてをまかない、国民から税金をとらなくてもすむような無税国家の実現も決して夢ではない。さらに進んでは、国家が国民になにがしかの配当ができる収益分配国家も可能ではないだろうか。p69

松翁論語



PHP研究所

ASIN:4569543545 /−/301頁

発売日:1994-04

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ --- [2009-06-09 Amache]
5 - 現代の孔子に学ぶ
5 - 何度も読み返しました。
5 - 松翁は現代のキリストか仏陀か?
5 - 人間重視の松下幸之助翁




 これまでの自民党には幻滅させられてきたわけだが、外国人に我が国を売り渡す民主党にはさらに幻滅させられるので、今のところ鳩山邦夫総務大臣のような自民党の自浄作用に期待している。

鳩山総務相が西川更迭論に固執する理由。
 文芸評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』
鳩山総務相が西川更迭論に異常ともいえる情熱をもって取り組んでいるが、むろん、僕は、これで、自民党や鳩山総務相も捨てたものではないな、自民党は一時的に下野したとしても、鳩山総務相のような人材が一人でもいる限り、復活と復権、そして政権再奪取も間違いないだろう、と若干見直しているところだが、しかし自民党の周辺では、鳩山総務相の西川更迭論への固執ぶりに、疑心暗鬼になっているようである。もし、麻生首相が、西川更迭となれば、「郵政民営化見直し」になるのではないか、そうなると様々な悪行が次々と暴露されることになりはしないか、という危機感を持っているからかもしれないが、これまた西川続投に異常な情熱を燃やしている小泉純一郎一派の脅迫に屈して、西川続投ということになれば、ここぞとばかりに鳩山総務相は辞表を出し、数人の子分たちを引き連れて脱党するろことだろうし、もしそうなれば、鳩山グループは、国民、マスコミに英雄の如く持て囃され、やがて、もうすぐやってくるはずの政権交代、あるいは政界再編のキーパーソンとなることだろう。言うまでもなく、自公政権は、鳩山総務相の離党の瞬間に統治能力を失い、空中分解することになると思われる。ところで、もし、麻生首相が、鳩山総務相とともに西川更迭に踏み切れば、つまり「小泉・竹中構造改革」一派、そして小泉チルドレン、あるいは日本郵政にまとわりついている財界主流派…を切り捨てる決断すれば、どうなるか。これもまた、麻生政権の命取りになるだろう。要するに、麻生政権は、どっちに転んだとしても、もうこれ以上の政権維持は無理であり、どっちにころんでも自滅・自爆するしかない。では、何故、鳩山総務相は西川更迭論に固執するのか。むろん、鳩山総務相が西川更迭論に固執する理由は、彼が、「かんぽの宿疑惑」に直面して、政治家としての自覚に目覚めたということであって、政治的処世術や政治的駆け引きから出たものとは思えない。それこそ、僕が、鳩山総務相を政治家として見直した理由でもあるが、おそらく、これからしばらくは、日本の政治の行方には、鳩山兄弟の力が大きく影響してくるにちがいない。いずれにしろ麻生首相は、最後は、潔く討ち死にすべきであるが、はたして、どういう決断を下すのだろうか。意地汚く任期いっぱいまで引き伸ばし、そして最後に野垂れ死にするのか。そうなれば、自民党は政権を手放すだけではなく、永遠に政権政党に返り咲くことはあるまい。分裂、解党しかあるまい。おそらく、その可能性が高いだろう。

 自民党には「かんぽの宿疑惑」の他に、緊縮財政の失敗に関する自浄作用も期待したい。

経済をマクロで見る
 経済コラムマガジン
(前略)
しかし日本のエリートと言われている人々の経済に対する認識も、田嶋陽子氏と同レペルである。6年ほど前、ある経済学者が、大阪の商工会議所の専務理事に「日本の需給ギャップは30%もあり大変」という話をした。ところがこの専務理事は「そうなんですよ。だから30%の企業を潰さないといけないのです。」と言ってのけたというのである。

当然、この経済学者は日本における需要不足を指摘し、総需要の増加政策が必要という事を言いたかった。ところが彼のこの驚くような発言に、これ以上話をしても無駄とさっさと帰ってきたという話である。この専務理事は経済産業省の官僚OBである。


聞くところによれば、エリート官僚の間では、この専務理事のような考えは例外ではなく、普通という話である。むしろ需要不足を問題にする官僚の方が少数派なのである。つまり構造改革は小泉政権だけの専売特許ではなかったのである。しかし真の「エリート」とは、国家全体に思いが及ぶ人々の事でなかったのかと筆者は思っている。

このような日本の状況では、リストラの対象の中小企業は大変である。商工会議所に会費を納め、その商工会議所に潰されるのではやっていられない。日本で企業の開業率が極端に小さいのもうなづける。


このように日本経済がおかしくなり始めたのは、財政再建を唱えた大平内閣あたりからである。「緊縮財政」→「企業の輸出依存」→「円高」→「金融の超緩和」→「バブル生成」→「バブル崩壊」といった順番であった。これに似たパターンが橋本政権、小泉政権でも繰返された。
経済問題をマクロで捉えなければならないのに、これまで個人や企業の努力で解決がつくとという構造改革派の考え(一種の新興宗教)が浸透していた。しかし今回の世界同時不況で、日本でも経済全体を見て行く必要性が再認識され始めた。人々も「構造改革で経済が成長する」という話が虚言・妄言ということに気付き始めたといえる。

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posted by こん at 01:24 | Comment(0) | TrackBack(1) | 政治

2009年06月06日

NHKへの抗議デモ&大東亜戦争

 先日、シルスさんのブログにて、NHKへの抗議デモの動画の存在を知った。これは凄い。しかし、この件に関して、マスコミは黙認とのこと。

どちらも役立たず
 eine kleine Katzen Schelle 2009/06/01(Mon) 12:10
東京のJAPANデビュー抗議デモもすごいことになっていたようですね。参加者1100人(゜▽゜*)

NHKにこれだけ人が入って抗議したなんて前代未聞じゃないでしょうか。それでも報道しない犬HK。日本の公営放送局が「日の丸拒否」とは意味が分かりません。ひょっとして右翼と間違えてる?(笑)国民はNHKをチャイナ電視台と間違えそうです〜!

 この動画の中に、”「日本解放第二期工作要綱」でググってね!”という文字が時々表示される。この件に関して、書いた記事をご参考までに以下に記す。

・(H17.5.13)日本の赤化(共産化)工作の一環としての性教育
・(H17.8.23)中国共産党「日本解放第二期工作要綱」

 ちなみに、前者の記事に、中国共産党の工作と同じようなことが記されていた米国による対日占領政策の内容(安岡正篤著)を引用している。このことや、次の書籍を読むと、米中間のパイプが、我々が認識している以上に太いことを改めて思い知らされる。
 
・日中戦争
 戦争を望んだ中国と望まなかった日本
NHKの「放送スペシャル」の傲慢 p94
 2006年の8月13日に放映されたNHKの「放送スペシャル」―日中戦争―なぜ戦争は拡大したのか―は、戦争拡大の原因を日本の主戦派の責任に帰結させている。まるで中国側には、何の関係もなかったかのようである。

 このように、自ら進んで戦争責任を負おうとするのは好意なのかもしれない。しかし中国人から見ると、このように片方だけに戦争責任を求める論法には傲慢さが含まれている。すなわち、日本を日中戦争の主導者とみなし、日本が戦争を拡大しようと思えば拡大でき、拡大させまいと思えば拡大させぬことができたのであり、戦争の方向は日本の意志でコントロールできたというものであるが、自発的に進んで戦おうとした中国人の意志が軽視されている。このような見方は当時の実情に符合しない。

 実際には当時の日本は、決して戦争の方向をコントロールしていなかった。中国側において自発的に日本と戦おうとする意志が高まっている状況では、たとえ日本が戦争を拡大したくなくても、中国側は日本と全面戦争を開始したであろう。

 事実として、日中間の大規模な戦争が開始された本当の発端は、1937年の8月13日に発生した第二次上海事変である。そしてこの戦闘は、正しく中国側から仕掛けたのである(この日、蒋介石は上海に駐屯していた5,000人余りの日本海軍特別陸戦隊に対する総攻撃を命令した)。

 日中戦争が拡大した真の原因を言うとすれば、それは世論に扇動された双方の民衆の仇敵意識であると言わねばならない。1937年7月29日には、通州事件が発生した(日本の傀儡政権である冀東防共自治政府の中国人保安隊が反乱を起こし、首都の通州にいた二百数十人の日本の民間人を惨殺した)。

 通州事件のあと、日本国内では「懲中」(中国を懲らしめる)の空気が巻き起こり、中国国内では「抗日」の空気がさらに高まった。両国が事前に戦争の準備をしておらず、また戦争の目的と結果を考慮していなくとも、日本側の「懲中」と中国側の「抗日」という両国人民の熱狂的な感情に支配され、全く準備がなされていない大戦争が、遂にはちょっとした食い違いから開始されたのである。


林思雲(著):1963年中国南京市生まれ。1985年南京大学を卒業。1992年に留学のため来日。1996年に九州大学で工学博士号を取得後、日本の企業に就職。1997年以降、中国語インターネットウェブサイト上で日中関係をはじめとする様々な分野について個人的な見解に基づく文章を発表し、多くの読者の関心を集めている。

日中戦争



PHP研究所 [著] 林 思雲, [著] 北村 稔

ASIN:4569693008 /単行本/227頁

発売日:2008-10-23

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 1,470 [2009-06-06 Amache]
5 - 珍しくかなり公平に書かれた良著




 戦争を望んでいたのは、日本ではなく中国の方であった。同様に、アメリカもまた日本との戦争を望んでいたのであった。

・仕組まれた昭和史
 日中・太平洋戦争の真実 思想劇画
二つの戦争を同時遂行し壮絶な敗北を迎えた日本 p246
真珠湾攻撃から七面鳥撃ちへ
 日本の第二次世界大戦参戦(1941年12月8日の真珠湾奇襲)までの10年間、駐日アメリカ大使を務めたジョゼフ・グルーは、渋沢栄一の息子(渋沢秀雄)たちと協力して必死になって、日米開戦を阻止しようとした。ジョゼフ・グルーは、J・Pモルガンの一族であり、極東におけるロスチャイルド家の利益を代表していた。
 
 ロスチャイルド家は日本に戦争させたくなかった。日本は米ロックフェラー家の策略に乗せられ中国全面侵略をするまでにドロ沼に引きずり込まれた。そしてABCD包囲網の罠にはまっていったのである。


真珠湾攻撃の真実 p212
 アメリカは第二次世界大戦に参戦しない。これがルーズヴェルトの公約だった。ところがルーズヴェルトに公約を守るつもりは毛頭なかった。

 参戦はすでに決められていたからである。
 
 CFR(米財界人による外交問題評議会)では何と第二次世界大戦後の「戦後処理」まですでに検討されていた。
 
 1939(昭和14年)、日米開戦の2年も前のことである。
 
 だが、ヨーロッパの戦争にアメリカが参戦することに当時の国民のほとんどが反対していた。
 
 ロックフェラー家の意向に忠実だったルーズヴェルト大統領はアメリカを第二次大戦に参戦させるために世論を覆す必要があった。
 
 そこで裏口からアメリカを参戦させようと仕組んだ。
 
 1940年(昭和15年)9月27日 日独伊3国同盟締結。この同盟下では、日本との戦争は、すなわち、ドイツ・イタリアとの戦争を意味した。
 
 ヨーロッパ戦線に参戦したかったアメリカは日本を挑発して戦争に持ち込もうと考えた。これが「裏口からの参戦」である。アメリカはこの戦略を進めた。
 
 そのためには、何としても、日本に戦争を仕掛けさせなければならなかった。
 
 (省略)
 
 1941年(昭和16年)11月26日 コーデル・ハル国務長官は日本に最後通牒(ハル・ノート)を突きつけた。
 
 「日本は中国の利権を全て捨てて撤退せよ」との内容であった。深く中国に入り込んでいた日本がこんな要求をのめるはずがなかった。
 
 日本は第三次近衛内閣のときから、ギリギリまでアメリカとの不戦の可能性を探った。 

仕組まれた昭和史―日中・太平洋戦争の真実 思想劇画



日本文芸社 [著] 副島 隆彦

ASIN:453725601X /単行本/263頁

発売日:2008-07

ランキング&評価:---位 4.0

価格:¥ 1,680 [2009-06-06 Amache]
5 - 難解な副島さんの話が劇画でとても読みやすくていいです。
5 - ブレイン・ストーミング
3 - こういうの読むと、副島の経済本も、実は同程度にトンデモなんだなと思う
4 - ロシナンテの絵が上手くなってる!
5 - 世界史の中の太平洋戦争。




 実は、中国とアメリカが裏で密かに手を結んでいたのであった。

・日本史から見た日本人 昭和編
 「立憲君主国」の崩壊と繁栄の謎
蒋介石の改宗が示すもの p308
 昭和2年、蒋介石の北伐軍のために張作霖の軍が敗れ、山東軍も敗退し、24,000名以上の日本人が居留する山東地方が戦場になる危険が生じたので第一次山東出兵が決定された。しかし、軍事情勢が一変して、蒋介石の北伐軍が敗北して揚子江南岸まで退いたので山東地方が戦場になる危険がなくなった。

 日本軍の撤収は速やかであったが、日本出兵とともに起こった反日運動と日本品ボイコット運動は全大陸に広まった。それが、北シナや満洲の地方にも及びつつあることは注目を要する。
 
 というのは、この背景にはアメリカの反日運動が連動しているとともに、元来は日本が好意を示していた張作霖が反日の姿勢を示しはじめてきているからである。満洲にも、ソ連から共産党の影響が入り込んでおり、反日・排日運動を支持していたのである。アメリカは山東危機には自国民の生命・財産を守るために協調して出兵したが、広汎な分野で反日・排日を支持していた。
 
 そのころ、北伐に失敗した蒋介石は、浙江財閥の宋美齢と結婚し、キリスト教に改宗した。
 
 「これはおそらく、蒋介石が浙江財閥の宋家を通じて、アメリカと結んだことをも示す儀式であった」(江藤・前掲書p268)

日本史から見た日本人 昭和編―「立憲君主国」の崩壊と繁栄の謎 (祥伝社黄金文庫)



祥伝社 [著] 渡部 昇一

ASIN:4396312024 /文庫/497頁

発売日:2000-02

ランキング&評価:---位 4.5

価格:¥ 750 [2009-06-07 Amache]
5 - 第五次国体変化への道程
5 - 「日本の使命」を奢らず、昂ぶらず語る
5 - 学校では教えてくれない現代史
4 - 中々良い
4 - 良い本である。




 アメリカと中国が手を結び、共に戦争を望んだ状況の中で、いくら日本が戦争を回避し平和を望んでも、それを実現することが不可能であった。結局、アメリカの挑発にのったかたちで真珠湾を攻撃したが、敗北に終わった。
 
 その後、アメリカと手を結んでいた蒋介石は、第2次世界大戦後の国共内戦において、アメリカに裏切られてしまう。この内戦でアメリカは密かに毛沢東率いる中国共産党を支援していたのだ。

・仕組まれた昭和史
 日中・太平洋戦争の真実 思想劇画
国際金融資本家が操ったエージェントたち p203
裏切られた蒋介石

 第2次世界大戦後、中国共産党は、”国共内戦”で蒋介石の国民党政府を、台湾に追い落とした。何とアメリカは密かに毛沢東側を応援していたのである。蒋介石は裏切られたのだ。旧日本軍の武器弾薬を毛沢東に供与したのが「マーシャル・プラン」のジョージ・マーシャル将軍である。彼は、のちにフランクリン・ルーズヴェルト大統領の下で国務長官(日本で言えば外務大臣)になった。マーシャルは国共内戦を調停するために中国に長くいたが、真実は毛沢東を武器援助で手なづけるためだった。

 アジア地域での共産中国の躍進を結果的に大きく後押ししたマーシャル将軍はおかしい、と気づいたのが、ジョゼフ・マッカーシー上院議員である。後に、マーシャル将軍の行動は、”反共の闘志”マッカーシー上院議員によって徹底的に調査された。マーシャルの親分はJ・D・ロックフェラー2世であった。

仕組まれた昭和史―日中・太平洋戦争の真実 思想劇画



日本文芸社 [著] 副島 隆彦

ASIN:453725601X /単行本/263頁

発売日:2008-07

ランキング&評価:---位 4.0

価格:¥ 1,680 [2009-06-06 Amache]
5 - 難解な副島さんの話が劇画でとても読みやすくていいです。
5 - ブレイン・ストーミング
3 - こういうの読むと、副島の経済本も、実は同程度にトンデモなんだなと思う
4 - ロシナンテの絵が上手くなってる!
5 - 世界史の中の太平洋戦争。




 このようなことから中国共産党とアメリカには太いパイプがあることが考えられるので、冒頭の中国共産党「日本解放第二期工作要綱」と、米国の対日占領政策の内容(安岡正篤著)が例え同じだったとしても不思議ではない。

続く(ポチッとして頂くと、近々、この後に追記するかもしれません)


【追伸】 時間があればこの動画もご覧ください


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2009年04月19日

作家の誕生

 石井勲教育学博士によれば、人は言葉で物事を考えるので、言葉を正確に豊かに使う人が、あらゆる方面で成功しているのは当然とのことのようである。また、逆に言葉を知らないと、狼少女マカラのようにうれしい時にも笑うこともせず、悲しいときにも泣くことができないような人間的思考ができなくなるとのこと。

・日本語塾
 石井 勲
人は言葉で物事を考える p18
 言葉を数多く正確に知っていることが、他のどんな特技よりも成功の原因である。そういって、”言葉の力”を40万人もの人々の実験を通じて実証した人があります。

 それは、アメリカの人間工学研究所のジョンソン・オコナー博士です。博士は、中学生、高校生、大学生から工場勤務者、大会社幹部まで、約40万人の人々にテストを行って、学校で成績の良い学生、社会的地位の高い人は、例外なく、「理解している言葉が豊富で正確であった」と報告しています。
 
 (中略)
 
 人は言葉で物事を考えます。言葉がなくては、人間的思考はありえません。理解する言葉が多ければ多いほど、その人の思考の幅は広く理解する言葉の深さが深いほど、思考の精密度が高いわけです。言葉を正確に豊かに使う人が、あらゆる方面で成功しているのは、当然のことです。


狼にもなる人間 p14
 大正9年、シング牧師によって救われた狼少女カマラのお話ほど、幼少期における教育の重要性を物語るものはないでしょう。

 カマラは、生後数ヶ月で狼にさらわれ、その後の7年間を狼に育てられました。そのため、シング牧師によって、人間社会に復帰させられはしたものの、その修正は、全く狼そのもので、これを人間に帰すことは、なかなか容易ではありませんでした。
 
 彼女はうれしい時にも笑うこともせず、悲しいときにも泣くことをしませんでした。手を使って狼のように歩き回り、昼は、物陰に隠れていて、夜になると目を輝かせ、夜中の決まった時間には、狼のように遠吠えをしたということです。


石井方式幼児のための日本語塾―漢字かな交じり 日本語表記絵本とともに35年



登龍館 [著] 石井 勲

ASIN:4902189003 /文庫/155頁

発売日:2003-07

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 1,260 [2009-04-19 Amache]
5 - 忙しいお父さん、お母さんにも最適
5 - 日本語能力が子供の無限の可能性を引き出す!




 狼少女マカラの例は極端かもしれないが、漢字教育を始めると、自分の体の内に湧き上がった思いを表現する力がつくので子供達の情緒が安定し、とても落ち着いた子になるようである。

・石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる
 石井 勲
語彙が増えて自己表現力がつくと情緒が安定する p177
 漢字について語彙が増えると、自分を表現する力がつきますし、頭の中で考えるための言語(内言語)も豊富になるので思考力も高まります。自己表現がスムーズにできれば、情緒が安定し、感性や情操も豊かに育ちます。

「漢字教育を始めると、子供達の情緒が安定し、とても落ち着いた子になります。それから、何にでも意欲を持って挑戦しようとする姿勢が顕著になって驚かされます」という話をよく聞きますが、その理由の一つには、こうした漢字力によって導かれる”自己表現の実現”があると考えられます。

 私は保育園や幼稚園での漢字教育を推進してきましたが、そうした園の先生方からも、「漢字教育を始めて1ヶ月ぐらいしたら、園児達の噛み付き癖がなくなりました」としばしば報告をもらいます。(中略)子供にしてみれば、自分の体の内に湧き上がった思いのおさめどころが分からなくて、噛み付きという行動で表現しているのでしょう。思いを言葉(内言語)に置き換えることができれば、心が安定して落ち着いていられるのは自然なことです。

石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる



コスモトゥーワン [著] 石井 勲

ASIN:4877950184 /単行本/191頁

発売日:2001-10

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-04-19 Amache]


 以上のような書籍を通して言葉の重要性を再認識させられていた。そんな矢先に、山崎行太郎氏のブログにて、永山則夫という中卒の連続射殺魔が、獄中で、膨大な漢字を習得し、誤字、脱字、当て字を繰り返しながら文章を書く訓練と抽象的思考の訓練を続け、作家へと変貌していく様子が描かれた『悪文の初志』という書籍を知った。

文章について、あるいは文体について。
 文芸評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』 2009-04-05
井口時男という文芸評論家(東工大教授)に、『悪文の初志』という著作があるが、そこで井口時男は、永山則夫という「連続射殺魔」が、中卒のまま、集団就職で上京し、職を転々とする内に、連続ピストル射殺事件の殺人として逮捕され、死刑判決を受け、やがて処刑されるまでの過程で、獄中で、膨大な漢字を習得し、誤字、脱字、当て字を繰り返しながら文章を書く訓練と抽象的思考の訓練を続け、その結果としてマルクス主義に近づき、やがて『無知の涙』から『木橋』の作家へと変貌していく様子を描いている。永山則夫の書く日本語は、文字通りの粗雑で乱暴な「悪文」だったが、まさしくそういう悪文であるところに、独特の文学的営為や思想的営為があるということを、そしてまた、多くの文学者や思想家も、永山則夫のように日本語と悪戦苦闘しているということを、井口時男氏の『悪文の初志』は教えてくれる。我々は、日本語の「ひらがな」や「漢字」を家庭や学校で、無理矢理に、なかば強制的に覚えていくとき、暴力的とも言うべき知的感動を味わうのだが、その原初的な日本語体験を次第に忘れ、あたかも日本語なる言語体系を、自然に覚え、自然に身に着けたかのように錯覚するが、永山則夫の場合は、特に難解な哲学思想用語等の漢字を習得し、自由に使いこなせるようになっていく過程での知的感動と違和感を忘れることがない。

 この『悪文の初志』には、漢字を媒介として言葉を学んでいく永山の姿が描写されていた。この努力があったからこそ、永山が作家になれたのであろう。

・作家の誕生 p167
 悪文の初志
 それにしても、死を覚悟しての逃避行の中でさえ「用語辞典」を携行していたというこのエピソードは、それ自体で、この少年が何から排除され、何を渇仰していたかということを、如実に伝えてくれる。

 彼の獄中ノートを集成した最初の著書は、著者自身の断固たる主張によって、「無知の涙」と題された。

無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)



河出書房新社 [著] 永山 則夫

ASIN:4309402755 /文庫/540頁

発売日:1990-07-10

ランキング&評価:---位 4.0

価格:¥ 924 [2009-04-19 Amache]
5 - 無差別殺人犯の手記
3 - 評価の対象外にある作品



 その表題は、「学問の卒業時点とは、敵となるか否かにかかわらず、マルクス経済学を理解することにある」という永山の認識に由来する。マルクス経済学は、彼を犯罪へと追いやった悲惨な境遇の社会的原因を解明してくれた。それによって彼は、自分が殺したのが同じ階級に属する仲間だったことを知った。今はじめて彼は、無知ゆえの己の犯行を思って痛恨の涙を流す。同時にその涙は、真正の知に目覚めた回心を喜ぶ涙でもある−この表題にはおよそ以上のような意味がこめられている。だが、永山にとって最初の「知」は、社会科学であるとともに、言葉(用語)と文字=漢字(字典)の姿をしていたことに注目したい。永山は「知」の階層制の頂点と信じるところまで一息に駆け上がろうとするのだが、私はその第一歩にこだわりたいのである。
 
 「無知の涙」の表紙には永山の獄中ノートのページがそのまま印刷されていて、それを見ると、詩のような、あるいは冥い想念の断片のような言葉が行分けで記されているその余白が、びっしりと漢字練習のために黒く埋め尽くされていることに驚くのだが、永山の獄中での「学習」は、国語辞典を食い破るようなすさまじい漢字書き取りから始まったのだった。貧乏の生い立ちによって奪われていた「知」というものを自己の内側に奪取しようとした永山にとって、日本語における「知」とは、何よりもあのいかめしく呪術的な権威に充ちた図像=漢字だったのである。
 
 そしてそこに反復練習される漢字が、ある剄い意志でもって選び取られた語彙であることは、例えばそこに並ぶのが、仰ぐ・吐息・垢染みる。敢無い・苦痛・齷齪・余儀無く・・・等々であることから明らかであろう。
 
 それは決してかな文字ではなく、漢字でなければならなかった。屈辱と憤怒にまみれた彼の生存の情意の一つ一つに堅固な形を与える呪物でなければならなかった。(後略)

悪文の初志



講談社 [著] 井口 時男

ASIN:4062066572 /−/244頁

発売日:1993-11

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-04-12 Amache]
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【関連記事】
・(H18.3.12)そのうち経済の分野も述べたいが、今回は・・・
・(H18.5.20)小学校から英語を教えることは、日本を滅ぼす最も確実な方法です。
・(H20.8.19)東京裁判を中心とするアメリカ占領政策による失われた日本的思想と、自由主義的思想の浸透
・(H21.4.5)橋本左内と漢字教育のすすめ

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2009年04月05日

橋本左内と漢字教育のすすめ

 我が国には、占領政策によって、事実を事実として教えられることが許されなかった時代があった。今や占領が終わったので、重要な史実は正しくこれを知らねばならぬとの思いで書かれた書籍がある。それは、平泉澄氏の「少年日本史」(現行版:物語日本史)である。この書籍に「橋本左内」という章があり、そこでは次のように紹介されている。

・橋本景岳 (橋本左内)
 少年日本史 p604
 安政の大獄に犠牲となった人々、いずれも惜しむべきであります中々に、最も惜しい人物が二人あります。それは過去幾百年の間に、かつて現れなかった偉大なる人物であり、それより今日に至る百数十年の中にも、まだこれだけの人物は出ていないからであります。二人とは誰か。一人は橋本景岳(通称左内)、一人は吉田松陰(通称寅次郎)、これであります。景岳は安政6年(西暦1859年)10月7日殺されたとき、26歳でした。松陰は少し遅れて10月27日に斬られましたが、年齢は30歳でありました。かようにわかかったのでありますが、その人物識見は抜群であって、真に天才というべきであり、その教えは没後において明治の御代の指針となってきたのでありますから、その概略をお話しましょう。
(省略)

物語日本史 下    講談社学術文庫 350



講談社 [著] 平泉 澄

ASIN:4061583506 /文庫/207頁

発売日:2000

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 840 [2009-03-28 Amache]
5 - 日本史を総覧する「良いコンパス」になる
5 - 読み終えるのが寂しい!
5 - 維新の精神




 今日に至る百数十年の中にも、まだこれだけの人物は出ていないといわれる橋本左内先生の書を勉強したいと思い、購入してみた。巻末に書かれた以下の解題を読んだ上で、『啓発録』を読んだせいもあり、心に響くものがあった。

・松平春嶽撰「左内小伝」並びに解題 p231
 伴 五十嗣郎
啓発録
 『啓発録』は、先生が嘉永元年(1846)15歳の時、偉人英傑の言行や精神を学んで、深く感奮興起され、自己の規範として、また自身を鞭撻(べんたつ)する目的で手記されたものである。古来、15歳の少年で、このような大文章を起草した例は、ほとんどなく、先生がいかに優れた資質を有しておられたかを、物語っている。

 同時にこの書は、単に15歳時の所懐を述べたものというに止まらず、万事にわたり、先生の一生の出発点となっているといって過言ではない。
(省略)

啓発録―付 書簡・意見書・漢詩 (講談社学術文庫 (568))



講談社 [著] 橋本 左内

ASIN:4061585681 /−/249頁

発売日:1982-07

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 924 [2009-03-28 Amache]
5 - 成人年齢引き下げ議論のある今こそ読み考えてほしい一冊
5 - 啓発録
5 - 純真な志を心から味わえる一冊
5 - 純真な志を心から味わえる一冊




 この書籍の中に現代の緊縮財政の是非を考えさせられた「意見書」という章がある。これが書かれた時代背景は、次の通りである。
 
・松平春嶽撰「左内小伝」並びに解題 p235
 伴 五十嗣郎
意見書
 安政4年(1857)4月、先生の建議で福井藩校明道館には、洋書習学所が付設されることとなった。この洋学所創設は、明道館学監として断行した種々の教育改革の中で第一に特筆すべき業績であったが、福井藩に限らず、当時の洋学に対する一般の認識は、必ずしも好意的でなく、むしろ懐疑的、否定的なものであったから、その運営には多くの障害をともなった。

 この布令原案は、そうした洋学不信を唱える明道館教官らに、洋学導入の意義と、その教育上の留意点を解いたものである。
(省略)

 それでは、「意見書」の一部を次に引用(訳文)する。

・意見書 p165 [安政4年(1857)4月]
 最近は、所有司の方々がなにかにつけて倹約だ倹約だと申し立てられ、万事にわたり節約を心がけておられますが、これは時節がら実にごもっともな次第と存じます。しかし、倹約と申しましても、それによって得た余剰をもって、まさか将来藩が高利貸しをしようというわけではなく、文武の道を奨励し、忠義の精神を興隆するために役立てようとのご趣旨と拝察いたします。となれば、以下に万事倹約とはいっても、必ず入用で有益なものは、買い入れたり製作したり、また建造したりされなくてはなりません。
(省略)

啓発録―付 書簡・意見書・漢詩 (講談社学術文庫 (568))



講談社 [著] 橋本 左内

ASIN:4061585681 /−/249頁

発売日:1982-07

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 924 [2009-03-28 Amache]
5 - 成人年齢引き下げ議論のある今こそ読み考えてほしい一冊
5 - 啓発録
5 - 純真な志を心から味わえる一冊
5 - 純真な志を心から味わえる一冊




 倹約だけでは駄目で、必要なものは買ったり、作ったりしなければならないという左内先生の意見は、現代においても通用すると考える。とかく我々はダム建設や道路工事に関する件で、本当は必要かもしれないのに、それを無駄と思い込むと猛烈に反対しがちである。しかし、真に必要とされる次の公共投資先を決めぬまま、緊縮財政のような倹約をしても、単にその業種の労働者が職を失うだけで、景気はよくならない。

エコノミスト亡国論、あるいは稀代の詐欺師・竹中平蔵のトンデモ経済学に異議あり!!!
 文芸評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』 2009-04-01
(前略)もし竹中平蔵に経済学や経済学説史に関する深い素養があるならば、是非ともうかがいたいものだが、竹中平蔵にはそういう深い素養は皆無だろう。竹中平蔵の言う「構造改革」や「規制緩和」「財政出動無効論」、あるいは「緊縮財政」「郵政民営化」「小さな政府」論等は竹中平蔵のオリジナルの思想ではなく、それぞれ経済学的な理論的背景と学説史があるのだが、竹中平蔵はそこの理論的背景と学説史を隠蔽したまま、まったく語ろうとはしない。「現代の経済学では常識ですよ。そんなこと、当たり前じゃないですか」と語るだけである。繰り返して言うが、経済学や経済政策をめぐる竹中平蔵の理論のほとんどは、借り物の理論であり、受け売りの理論であり、借り物や受け売りが一概に悪いというわけではないが、いずれにしろ、そのオリジナルはアメリカにある。 竹中平蔵式経済理論の核心は、需要拡大によって景気回復を試みるケインズ主義批判である。ケインズ理論では、不況の原因は需要の不足による消費後退、つまり生産能力はあるが商品が売れないデフレ・ギャップの発生である、と考え、財政出動、あるいは公共投資などによる需要拡大こそ景気回復の指標になるとする。

 さて、経済の話をすると陰鬱になるので、左内先生の話題に戻す。左内先生は、幼少の頃から古典を読まれていたようである。これは天才だからできたのではなく、古典を読んだから天才になったと以前ご紹介した石井勲先生が指摘している。

・これが漢字力・国語力大幅アップの実践法 p181
 石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる
 吉田松陰や橋本左内というような人は、三、四歳のころから古典を読み、十歳ともなれば、すばらしい詩文を作っています。人々は、これを生まれつきの天才という言葉で片付けていますが、彼らは、生まれつき頭が良かったから、三、四歳で古典を読めたのではなく、三、四歳という時期に古典を読んだので頭がよくなったのだと思います。
石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる



コスモトゥーワン [著] 石井 勲

ASIN:4877950184 /単行本/191頁

発売日:2001-10

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-03-28 Amache]



 古典を読むに当たっては漢字の知識が必要となるので、子供には難しいと考えがちである。しかし、石井先生によれば、漢字習得を難しく感じるのは、漢字を「かな」に改めて学習させる明治以後からの国語教育を受けた我々だけの問題であり、実際には、発声と同時に消えてなくなる言葉よりも、漢字の方を先に理解するようである。また、漢字を学べば語彙が増えるので、自分の気持ちの表現力が広がり情操教育にも良いとのこと。

・石井方式幼児のための日本語塾
 石井 勲
あとがき p153
(前略)漢字は「誰でも生後8ヶ月から学習できる」のではないこと考え、屋形原保育園など零歳児保育をしている数園で、これを検証して貰いました。それで、「漢字を言葉と一緒に平行して学習させると、例外なく漢字を先に理解し、言葉の理解はそれよりかなり遅れる」という新事実を発見しました。その教育法の発表は時期尚早なので控えました。


漢字は心の珠(たま)を磨く道具 p80
 「幼児には、漢字よりも、もっと先に指導すべき面があるのではないか。情操教育とか友達間の付き合い方とか」という批判をよく聞きます。

 しかし、私はすでに長年にわたり、この教育で育った子供達は、あらゆる点で、立派であると自負しています。
 
 「言葉を覚えるまでの人間の子供の知能は、決して、チンパンジー以上のものではない。それが言葉を覚えるや、突然大幅の進歩が始まる。心の能力が驚くほど増大する」(ビオー)

 私は、幼児が漢字を覚えて読むようになると、とたんに子供達の目の輝きが増し、心の動きが活発になるのをはっきりと認めることが出来ました。この教育をさしおいて、どんな情操教育ができるというのでしょうか。
 
 私は、漢字による教育ほど、豊かな情操を養う教育は他にないと確信しています。
 
 世界的な数学者・岡潔先生は「漢字は心の珠を磨く道具である」とおっしゃていますが、まさにその通りだと思います。


鈴木式才能教育の発見 p26
 従来、音楽の才能は生まれつきで、天分のないものは、どう教育してもモノにならぬと言われていましたが、鈴木先生は、事実を以ってこれをくつがえしました。

 音痴は、音痴になるように育てられたから音痴になったのであり、ベートーベンは、赤ちゃんの時から、美しい音楽を聴いて育ったから音楽の才能が育ったのだ、というのです。

(省略)

 この鈴木先生のお考えは、「鈴木メソッド」という名で欧米に喧伝され、尊重されています。しかし、この教育法は、外国人が学べば難しい母国語を、どんな幼児でも見事に話していることから思いつかれたものだということです。

石井方式幼児のための日本語塾―漢字かな交じり 日本語表記絵本とともに35年



登龍館 [著] 石井 勲

ASIN:4902189003 /文庫/155頁

発売日:2003-07

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 1,260 [2009-04-05 Amache]
5 - 忙しいお父さん、お母さんにも最適
5 - 日本語能力が子供の無限の可能性を引き出す!




 音痴は、音痴になるように育てられたから音痴になったのであり、ベートーベンは、赤ちゃんの時から、美しい音楽を聴いて育ったから音楽の才能が育った、と言われているようである。漢字音痴にならないようにするには、読み書き同時教育や、かな教育の改定が重要であるが、その実現には時間がかかる。そのため、責任を学校教育に押し付けずに、家庭でも漢字教育を実施することが重要と考える。

【関連記事】
・(H18.5.20)小学校から英語を教えることは、日本を滅ぼす最も確実な方法です。
・(H20.8.19)東京裁判を中心とするアメリカ占領政策による失われた日本的思想と、自由主義的思想の浸透
・(H21.4.19)作家の誕生

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2009年03月21日

松平定信の寛政の改革

 倫理的に良かれと思って策定した法律が、人知を超えた想定外の問題を生み、逆に社会を悪化させることがある。その一例がアメリカの禁酒法である。

アメリカ合衆国憲法修正第18条
 ウィキペディア(Wikipedia)
経緯

ピューリタン(清教徒)の影響が強かったアメリカ合衆国では、アルコールに対する強い批判があり、1851年にメイン州で最初の禁酒法が制定されたのを皮切りとして20世紀初頭までに18の州で禁酒法が実施された。宗教的理由に加え、男性が(不健全な)酒場に入り浸り家庭生活に支障をきたすことに対する女性からの批判は大きく、女性を中心とする禁酒運動は根強く存在していた。そこに第一次世界大戦の開始に伴い戦時の穀物不足を予防するという経済的な動機が出現し、全国的な禁酒法制定への機運が盛り上がった。なお、そこには酒造・酒販業界を牛耳るドイツ系への反発感情もあったと見る向きもある。


問題

実際にはざる法であり、うまく機能しなかったと言われている。飲酒禁止によって犯罪を抑止しようとしたが、逆に酒をめぐる犯罪が増加したためである。

隣国カナダからの輸送を取り締まらなかった。カナダ国内で合法的に販売された酒類は爆発的に売れ、アメリカへと持ち込まれることになった。これによりカナダ経済は非常に潤うという結果を生んだ。
禁酒法の執行官の待遇が悪かった。密造業者や密造、アル・カポネをはじめとする密売に関わるギャングに買収されたりした執行官が多かった。
密造酒による健康問題や、密売に関わるギャングやマフィア同士の抗争による治安の悪化も問題となった。
不健全な酒場を廃止することが目的の一つだったにもかかわらず、より不健全な非合法酒場が横行した。
世界恐慌で景気が後退すると、財政難の中、密売酒・密造酒が課税されないことが大きくクローズアップされるようになった。
医療目的と称して薬局を通すと、ウイスキーを手に入れることができた。ちなみに、病院に行けば、医者は1枚2ドルで処方箋を書いていた。

 我が国では、例として、松平定信の寛政の改革「一大倹約政策」が挙げられる。

・なぜ、幕府の行革は失敗したのか
p62 (明和4-1767年ごろ)
 幕府の根本政策は、
 「重農主義」
 で、いきおい、
 「賤商主義」
 をとり、経済人はいつも圧迫された。が、田沼はむしろ重商主義をとり、また、鎖国という国是を破って、開国同様の状態にし、開国の文物をどんどんとりいれた。
 
 おかげで、オランダの医学書を翻訳した解体新書などの本も出たし、平賀源内のひらいた物産展などで、国民は大いに生活を豊かにする方法を知った。

(省略)

 今日の眼からみれば、田沼の政治はかなり開明的で、それほど批判されるものではない。
 が、田沼には大きな欠点があった。ワイロが好きだったことである。しかも彼はそのことを少しも恥じず、
 「金や品物をくれる人間は、それだけ私に誠意がある証拠だ。だからそういう人間はどんどん出世させるし、便宜を図る」
 と公言していた。

(省略)

 そのうちに、田沼の政治に反感を持つ大名達が結束し、田沼を失脚させた。田沼に代わって登場したのが東北の白河藩主松平定信だった。定信は八大将軍吉宗の孫で、頭もよく、人格者だった。国民は定信に期待した。

 定信が展開したのは、
 「一大倹約政策」
 で、その線に沿った行政改革であった。かれは田沼の政策を全てひっくり返した。
 「重商主義」
 を、再び、
 「重農主義」
 に変え、商業を弾圧した。西洋の学問も禁じた。都市にいる若者には田舎にUターンを命じた。国民の贅沢も一切禁じた。貿易も禁じた。日本は、堅苦しい、しめっぽい国になった。経済は低成長のまま、二度と景気が浮揚することは期待できなかった。

上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件 (PHP文庫)



PHP研究所 [著] 童門 冬二

ASIN:4569562736 /文庫/221頁

発売日:1990-08

ランキング&評価:---位 3.5

価格:¥ 450 [2009-03-21 Amache]
3 - 「荒廃しつつある大企業(米沢藩)の経営を任された若手経営者」
2 - 経営者には読んで欲しいが...
5 - すばらしいリーダー
3 - 今最も必要とされるリーダー像
4 - 小説の後に読むと、同じことが書いてあると感じる…




 倹約した結果、世の中が良くなったわけではない。閉塞性の高い社会となったのである。

・高田屋嘉兵衛
p108
徳川幕府、これほど反時代的ということで「愚劣」極まる政権も珍しい。日本の米造りが一つの頂点に達したとき、それに似合う封建権力として成立したのだが、その時は米だけでなく金銅鉄などの冶金、酒、味噌、醤油、木綿、畳表、菜種油、全国を市場とする商品生産が発達し、国内はもちろん海外貿易も盛んになる機運が熟していた。だのに米−金は例外として−だけしか頭にない体制を造り、そのような支配体制をそのまま保持することに全智全能を傾け、その後の社会発展を、これまた全力を挙げて阻止した。だが幕府の頼りとする米の増産は耕地の限界もあり、技術革新も見られず、徳川初期で停滞する。一方バイタリティに富む日本人のことだ。生産者側は幕府の願望を余所に綿作を中心にあらゆる換金作物の栽培を進め、各種の加工手工業も力強く展開させる。ふつうなら当然近代社会への前進が始まるところである。しかし幕府は虚仮の一念の如く米作を唯一絶対のものとし、その上に無数の武士が寄生するという社会を固定する政策を取り続けた。

寛永の奢侈禁止令、吉宗の享保の改革、松平定信の天明寛政の改革、水野忠邦の天保の改革、全ては商品生産と商品流通を阻止しようとするものである。それも、はじめのうちは武士に質実剛健の気風を維持させようという道義心からのものであったが、後代になるにつれただ「富裕なる商人憎し」「自分だけ贅沢したい」という嫉妬心と利己欲と階級的偏見に凝り固まったものとなってきている。こうして商品生産も流通社会も、みんな異様に曲がり歪んだものとなった。日本人全体の精神も闊達さを失い、社会も閉塞状況となった。身体の大きさまで影響し、日本人は小人となった。現在の日本人の持ついやらしさやたかり根性、歪んだ嫉妬心などの否定的側面だって、諸外国が攻撃する社会の閉塞性だってこれまた何度もくりかえすがほとんどみなこういう徳川時代に胚胎したものである。

歴史を変えた決断の瞬間



角川書店 [著] 会田 雄次

ASIN:404820002X /単行本/272頁

発売日:1984-06

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-03-21 Amache]



 結局、社会は、「一大倹約政策」よりも「重商主義」を求めたのであった。

・なぜ、幕府の行革は失敗したのか
p64
 そうなると現金なもので、農民や町人は、
 「白河さまのきれいに澄んだ清流のような政治よりも、前の田沼様の汚れた泥沼のような政治のほうがマシだった」
 と言い出した。
 
 上杉鷹山は、こういう時代に生きた。つまり、経済の高度成長と低成長の二つの時代を生きたのである。そして、田沼意次の国民の消費助長政策と、松平定信の緊縮政策の二つをじっとみつめていた。
 
 この状況と経済の中から若き鷹山は独特な改革案を考え出したのであった。
 鷹山は、かつての将軍吉宗や宰相水野忠之による享保の改革や、最近の宰相松平定信をはじめとする徳川幕府の経営改革が、なぜ今まで成功しなかったのか、その理由を次のように考えた。
 
 1.経営改革の目的がよくわからないこと
 (省略)
 5.改革が進んで、徳川幕府が身軽になれば、当然国民の負担が軽くならなければいけないのに、逆に幕府は増税したこと。つまり、四公六民という税率であった所得税を、五公五民、あるいは六公四民のようにあげてしまったこと
 

上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件 (PHP文庫)



PHP研究所 [著] 童門 冬二

ASIN:4569562736 /文庫/221頁

発売日:1990-08

ランキング&評価:---位 3.5

価格:¥ 450 [2009-03-21 Amache]
3 - 「荒廃しつつある大企業(米沢藩)の経営を任された若手経営者」
2 - 経営者には読んで欲しいが...
5 - すばらしいリーダー
3 - 今最も必要とされるリーダー像
4 - 小説の後に読むと、同じことが書いてあると感じる…




 田沼意次の重商主義を非難し、一大倹約政策を実施したことと、現状の財政赤字を非難し、構造改革を推進することが同じように見受けられる。構造改革後に消費税の増税という点においても。つい、自民党の政治に不安を感じてしまう。

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posted by こん at 15:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治

2009年03月01日

見果てぬ夢

 待望の書籍「見果てぬ夢」を手に入れた。絶版しており、古本屋を探すしかない代物である。著者は星野直樹氏で、「東京裁判の全貌」という書籍では、氏のことが次のように紹介されている。

p84
星野直樹 満洲国総務長官(1892-1978) 東大政治学科卒。昭和12年満洲国総務長官、15年7月-16年4月企画院総裁、16年10月-19年7月 東条内閣書記官長。

 星野は大蔵省の逸材だった。東大の政治学科を卒業して大蔵省に入り、営繕管財局国有財産課長だった昭和7年(1932)、推されて建国直後の「満洲国」の官使吏に転出、財政部理事官を皮切りに次々と要職に就き、5年後の昭和12年には国務院総務長官になり、同国の内政を事実上牛耳った。
 
  この満洲時代、関東軍首脳とも親密な関係を結ぶ。星野の画策した産業5カ年計画、満洲重工業社会の創立、日満統制経済の実現などは、これら軍部の人脈による後押しの成果ともいってもいい。関東軍参謀長の東条英機と知りあったのもこのころで、当時、満洲国を実質的に支配していた人物を指す言葉の「ニキ三スケ」の一角を占めていた。すなわち東条英機、松岡洋右(満鉄総裁)、鮎川義介(満洲重工業開発会社総帥)、岸信介(満洲国産業部次長)、それに星野直樹である。

東京裁判の全貌 (河出文庫)



河出書房新社 [著] 平塚 柾緒, [編集] 太平洋戦争研究会

ASIN:4309407501 /文庫/288頁

発売日:2005-07-05

ランキング&評価:---位 4.5

価格:¥ 714 [2009-03-01 Amache]
5 - ”東京裁判”初心者
4 - 裁判という刑罰
5 - 満足出来る1冊でした
5 - 東京裁判で何が行われたかを知るための入門書
4 - 東京裁判史観っていう言葉を聞く度に・・・。



 匪賊の多い満洲においてマイナス状態から産業を発達させてきた氏らの業績が、昨今の不景気対策のヒントとして役に立つのではないかと以前から着目していたのだが、ご本人が記した書籍を中々手に入れることができないでいた。だが、やっと発見した。値段は2万円を超え、懐具合が痛んだ。まだ読み終えていないが、国家のことを考える氏に好感を得た。ご参考までに、今日が3月1日なので、昭和8年3月1日に関する部分のを引用してみる。

p153
皇 帝

 政治の中心に溥儀氏が執政としてあげられたのは、前述の通りである。その執政溥儀氏は、昭和8年3月1日、推されて皇帝の位に付いた。しかし、満洲帝国は、溥儀氏がかつて宣統帝として君臨していた大清国とは、まったく別なものであった。従っていわゆる復辟(筆者記:退位した君主が再び位につくこと)ではない。

 が、執政といっても溥儀氏は元来、清朝の嫡流の出であるばかりでなく、現に幼少のころとはいえ、皇帝の位についていた人物である。だから満洲の人々はみな皇上(ホワンシャン)と呼んでいた。皇帝となるのは当たり前だという考えが強かった。が、半面また、たいした感激もなかった。極めて事務的に皇帝になったのである。
 
 溥儀氏が皇帝になった時に行われた儀式は、中々面白いものであった。当時の新京の郊外、後に宮殿建設の予定地の一角に祭壇が設けられ、溥儀氏はここに百官有司、ならびに外国使臣参列の前で天地の神を祭って皇帝の位につき、新王朝を設立することを告げた。壇の上には、支那従来の慣習に従って皮をはいだ牛、豚、羊が不気味に供えられていた。
 
 時は3月1日、満洲も北の新京では、日中も堅氷のとけない厳寒の候である。その上、風の強い陽の当たらぬ寒い日で、そのうちに小雪さえ降りだしてきた。
 
 吹雪さらしの広い原野にたてられた天幕の中で、いつまでも続く儀式の終わるのを待つ間の寒さというものは格別であった。夕暮れ近くなって儀式もようやく終わり、車にとび乗って家へ逃げこんだときのほっとした思いは、いまに忘れられない。

見果てぬ夢―満州国外史 (1963年)



ダイヤモンド社 [著] 星野 直樹

ASIN:B000JAHYYG /−/326頁

発売日:1963

ランキング&評価:---位

価格:¥ --- [2009-03-01 Amache]


 そういえば、当ブログでも以前から批判してきた竹中氏の件だが、「かんぽの宿」のオリックス不正譲渡疑惑を切っ掛けにして、郵政民営化利権も見果てぬ夢となりそうな気配である。

小泉・竹中一派の「逮捕劇」はありえない???
 文芸評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』
一部には、「かんぽの宿」のオリックス不正譲渡疑惑から始まり、政財界をも巻き込む形での「大疑獄事件」に発展しつつある、いわゆる「小泉構造改革」に伴う「郵政民営化利権」スキャンダル事件で、小泉・竹中一派の「逮捕劇」もありうるかも…と期待している向きも少なくないかも知れないが、読者から教示いただいた「nikaidou.com」の怪しい情報(笑)を信じるか信じないかは別としても、やはり、そこまでは無理なのではないか、と言わざるをえない。自民党がどうなろうと、また日本国家や日本国民がどうなろうとも、自分たちだけは、なんとか無傷のまま生き延びて、贅沢な暮らしを続けたいと思っているらしい小泉純一郎元首相や竹中平蔵元大臣の、恥も外聞もかなぐり捨てての必死の抵抗や逆襲など、別に大した障害ではないと思うが、しかし、さすがにアメリカの権力機構との関係性という問題になると、日本の捜査当局も手も足も出ないだろう、と思う。しかし、小泉・竹中一派の「逮捕劇」などというドタバタ喜劇までは行かないとしても、「郵政民営化」と「かんぽの宿」に関連して、これだけ「郵政民営化利権」の秘密の暴露、真相の露呈が続くならば、小泉・竹中一派の「郵政民営化」戦略は予定通りには終わらないだろう。そして何者かに買収され、洗脳されている政治家や知識人よりも、はるかに知的、思想的レベルの高い日本国民の多くは、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏の今後の言動を、疑いのまなざしで見始めることだろう。いや、すでに日本国民の多くは、小泉純一郎氏が、元首相という立場に身をおきながら、気でも狂ったかのように叫び、吼えたてる「小泉劇場」なるものを、しらけた気分で冷静に観察しているはずである。二番煎じ、三番煎じの「小泉劇場」なるものに興奮し、あるいは興奮している振りをしているのは、小泉・竹中一派と利害関係を、つまり「郵政民営化利権」の分け前を共有していると推察されるテレビ局関係者と一部の新聞記だけだろう。

二階堂ドットコム

http://www.nikaidou.com/2009/02/post_2392.php

■ 郵政のカネについて

 「日本のメディアは裏が取れないと書けない。でも、裏を取っている時間などないから、お前が書け。信用されなくてもかまわないから以下のことを書け。それで多少は世界が変わる。」

 と、ある信用できる機関から情報が来ましたので、以下箇条書きに書きます。訳は防衛に詳しい某教授にやってもらったので間違っていないと思います。


・郵政のカネは、すでに200兆円が米債に回されている。いきなり米債を買ったのではなく、いろんな金融商品を経由している

・小泉が海外に行くたびに、ゴールドマンサックスの連中と会っている。何月何日何時にどこで誰と会ったか、日本の情報機関以外は皆、知っている。

・ゴールドマンは三井住友。つまり、西川がハンドリングしやすい方法でカネのやりとりをやっている。

・小泉と竹中は郵政民営化の代わりに3兆円分の米債を見返りにもらった。しかし民営化が完成されないと換金できない。そこで、ムキになっている

・カネというかその証書(期限付き実行書)はドバイの銀行に匿名ファンドの信託だかの形で入っている

・この話は日本の捜査当局も知っている(注:東京地検特捜部?最高検?)が、アメリカに捜査することまかりならんといわれている。いずれにしろ法律の解釈が難しく、国と国との間に贈収賄が成立しないし、授受の方法が難しくて立件できないだろう。ただ、tax(国税)はいけるだろう。

・この詳細の一部を知っているのは、国民新党の亀井久興と、西川公望。

二階堂ドットコム(http://www.nikaidou.com/2009/02/post_2392.phpt)が、面白おかしく、ここに書いていることは、たぶん、すでに多くの人が断片的に耳にしている情報だと思うが、僕も知らないわけではないのだが、しかしこの情報の真実性という問題になると誰でも半信半疑のことだろうと思う。では、この情報は、何の意味もないのかと言うと、そうではなく、このガセネタ的な情報の中に、実は、もつとも重要な秘密情報が暗示されていると言うべきだろう、と思う。たとえば、「小泉と竹中は郵政民営化の代わりに3兆円分の米債を見返りにもらった。しかし民営化が完成されないと換金できない。そこで、ムキになっている 」「この話は日本の捜査当局も知っている(注:東京地検特捜部?最高検?)が、アメリカに捜査することまかりならんといわれている。いずれにしろ法律の解釈が難しく、国と国との間に贈収賄が成立しないし、授受の方法が難しくて立件できないだろう」というような情報は、「当たらずとも遠からず」という奴かもしれない。「小泉と竹中は郵政民営化の代わりに3兆円分の米債を見返りにもらった。しかし民営化が完成されないと換金できない。そこで、ムキになっている」という情報に関しては、ちょつと違うのではないか、と僕は思う。小泉氏と竹中氏がムキになって「かんぽの宿疑惑」に反論したり反撃したりしているのは、おそらく、このスキャンダルが、「郵政民営化」を強引に推し進めた小泉・竹中一派の「逮捕劇」と直結してくるからだろう。小泉・竹中一派は、「郵政民営化」を推し進めていく過程で、「郵政民営化」に反対した多くの政治家や民間人を、たとえば、鈴木宗男、佐藤優、西村真吾、植草一秀…等を、様々な理由をつけて次々と逮捕したり、社会的に抹殺したりしていったが、今度は、逆に自分たちが「逮捕」され、社会的に「抹殺」されかねない事態になりつつある、と言うことだろう。小泉氏と竹中氏が「ムキになる…」のも頷けるというものだろう。
ブログ更新をサボっている最近の私の日課は、山崎行太郎氏の「ブログランキング」ボタンをクリックすることである(笑)

【追記 '09.3.14】
 ここで、皆様方のご協力によりAmazonアソシエイトで入手させて頂いた書籍を紹介させていただく。

p257
国家財政の管理目標を「プライマリーバランス」から「実質所得の増加率」へ

 プライマリーバランス(基礎的財政収支)なるものは、竹中平蔵氏が経済財政政策担当大臣だったころ(2001年)に言い始めたもので、その意味するところは、
 
 「国債費の負担を除いた収支のことで、(中略)企業の会計でいえば、利払いを前損益と考えればいい。つまり「金利払い」を除いた「税収−政策費用」の部分」p50

闘う経済学―未来をつくる「公共政策論」入門



集英社インターナショナル [著] 竹中 平蔵

2008-05 / ---位 /4.5

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である。
 竹中氏は、財政再建のためにこのプライマリーバランスを黒字化することを重要な政策課題として「骨太の方針2001」に盛り込んだ。これによって、財政収支を黒字化することが政府の正式な方針となったのである。

(省略)
p264

 日本が政府支出を増加させるのを止めてしまった1990年代半ばから2000年代半ばにかけて、OECD加盟国の中で実質平均可処分所得が減少したのはトルコを除けば日本だけである。

 プライマリーバランスの黒字化など、何の意味もない。それどころか、この目標のせいで国民を貧乏にしているのだから百害あって一利なしといっても良いのではないだろうか。


国債を刷れ!「国の借金は税金で返せ」のウソ



彩図社 [著] 廣宮 孝信

ASIN:4883926788 /単行本/272頁

発売日:2009-02-18

ランキング&評価:---位 5.0

価格:¥ 1,600 [2009-03-14 Amache]
5 - 理数系の経済家に日本経済の真実を伝えて欲しい
5 - 日本国民が知るべき真実
5 - すぐ買うべし!今すぐ読むべし!!
5 - 豊富なデータに裏打ちされた景気浮揚の具体的提言
5 - 小泉・竹中構造改革路線は正しかったのか?




 自己の利権のために闘う経済学者のように見受けられる竹中氏が提唱するプライマリーバランスの黒字化を実現しようと努力すると頭の中で描いた妄想と異なり、現実の経済は益々悪くなる一方のようである。
 プライマリーバランス黒字化の取り組みで不思議な点は、一般会計のことが取り上げられているが、一般会計の4倍以上もある特別会計のことが取り上げられないことである。

p42
 プライマリーバランスがプラスということは、単年度の税収などによってその年の収支が賄えていることを指します。逆に、マイナスの場合には、公債の新規発行をしなければその年の支出を賄えないことを指します。
 
 このプライマリーバランスでも日本はずっとマイナスで、先進国中最下位です。政府は「2010年初頭にプライマリーバランスの黒字化を目指す」という方針を出していますが、累積債務の額が大きすぎるので、多少、黒字にしても焼け石に水です。しかも、これは一般会計だけの話であり、裏予算とも言える特別会計の問題があります。特別会計は、一般会計に比べ4倍以上もの規模を持つ”本当の国家予算”なので、実は一般会計のプライマリーバランスだけを見ても財政が健全かどうかの判断はできません。

日本人が知らない恐るべき真実 〜マネーがわかれば世界がわかる〜(晋遊舎新書 001) (晋遊舎新書)



晋遊舎 [著] 安部 芳裕

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5 - 多くの人に読んで考えてほしい
5 - 面白さ満点
4 - 陰陽経済のすすめ
5 - 凄い影響力だ。
5 - 素晴らしい内容・・・世界中で読んで欲しい本




 各国の財政状態を見る時の国際標準がOECDが使っている「GDPに対する純債務比率」のようである。この指標でみると、日本が超健全だった状態から他の先進諸国並に悪化しだしたのは、橋本政権から始まった財政再建運動からのようである。一般会計の健全化を目指した緊縮財政が、日本の経済活動にダメージを与えたというのが、歴史から得た教訓である。
 
増税派と成長派
 経済コラムマガジン '07.10.22
政府部門全体の債務
先週号でプライマリーバランス回復方針が「悪魔の囁き」と断じた。この方針は、政府の財務諸表を静態的に捉え、これ以上借金を増やさないことを目的としている。もし財政が経済に影響を与えないのなら、この方針に問題はない。しかし財政は経済活動に確実に影響を与えるのである。そしてそれが表面化するまでにはある程度の時間が掛かる。

プライマリーバランス回復を巡って、不毛な議論が行われている。いわゆる「増税派」と「成長派」との間のやり取りである。増税派は、財政支出の削減ではなく増税を行ってプライマリーバランスを回復させようと考えている。一方、成長派は、増税を避け、一段の財政支出のカットによってプライマリーバランスの回復することを主張する。成長派はまさに「小さな政府」論者である。


ところでこの議論を進めるに当たり、はっきりさせておく事柄がある。プライマリーバランスの回復といった場合、増税派・成長派の両者の対象は一般会計のプライマリーバランスである。しかし政府の財政には、一般会計とは別に、年金や外為といった特別会計がある。しかもその特別会計は金額的に莫大なものになっている。財政の経済に与える影響といった場合には、当然、特別会計を含めて考えるべきである。さらに地方にも財政がある。

つまり日本全体の財政は、一般会計だけでなく、特別会計や地方の財政といったものまで含めた「政府部門」という形で捉えるべきである。財政の経済への影響も政府部門全体で考えなければならない。例えば景気対策として減税(一般会計の赤字の増加)を行っても、一方で同時に年金の保険料を上げれば(特別会計の黒字の増加)、減税の効果が消されてしまうのである。


ところが「増税派」にしても「成長派」にしても、どういう訳か特別会計については触れたがらない。両者ともに特別会計に言及することを避ける。特別会計に話が及ぶと両者ともに、途端に話がしどろもどろになる。一般会計は赤字であるが、特別会計は大幅な黒字であることがバレるからと筆者は見ている。

筆者達は、先週号で述べたように政府部門全体で財政を捉える。むしろ一般会計の歳出・歳入の均衡によるプライマリーバランス回復方針というものが、誤った政策に繋がることを指摘したい。筆者達が財政を問題にする場合は、政府部門全体の債務、もっと正確に言えば金融資産や社会保障積立金を債務残高から差引いた「純債務」を見る(日本の場合、欧米先進国に比べ政府の金融資産や社会保障積立金がとんでもなく巨額だから)。

04/12/13(第371号)「第一回財政研交流会」で述べたように、日本のGDPに対する政府部門全体の純債務の比率は他の先進国並である。つまり純債務比率を見る限り、日本の財政は特に問題はない。そしてOECDが使っているこの「GDPに対する純債務比率」こそが、各国の財政状態を見る時の国際標準である。

ところで以前の日本の純債務比率はもっと小さかった。つまり日本の財政は超健全だったのである。他の先進国並に急激に悪くなったのは、橋本政権から始まった財政再建運動からである。一般会計の健全化を目指した緊縮財政が、日本の経済活動にダメージを与え、むしろ日本の純債務比率を悪化させたと筆者は考える。

また日本では財政の負担を減らすため、異常に金融政策に重点を置いた政策が採られるようになった。日銀も中途半端な考えのため、この政府の方針に押切られ、過剰な金融緩和をいつまでも採り続けている。はっきりと「景気対策に日銀は協力するがこれには限度がある。これ以上の景気対策は財政でやってくれ。」と言うべきである。異常な金融緩和の弊害が、過去にバブルを生み、今回は回り回って今日問題になっている米国のサブプライム問題や資源高騰の一因にもなっている(これについては近々取上げる)。

 政府が一般会計に執着する理由とは何であろうか?政権交代後の竹中氏の行く末とともに気になる次第である。

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posted by こん at 18:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治

2008年10月19日

第二の女系天皇問題

 「皇后さまと子どもたち写真展」に関する話題のテレビを観た。諸外国の子供達と交流されるお姿を見て心が洗われる気持ちになった。

皇后さま:古希記念の写真展開幕 初公開の家族ショットも
 毎日新聞 2008年10月15日
開幕した「皇后さまと子どもたち写真展」を鑑賞する来場者たち=東京都中央区の日本橋高島屋で2008年10月15日午前10時26分、山本晋撮影 皇后さまの古希を記念した写真展「皇后さまと子どもたち」(毎日新聞社主催、特別協力=宮内庁)が15日、東京都中央区の日本橋高島屋で始まった。この写真展は皇太子さまら天皇、皇后両陛下のお子様らが企画、準備したもので、国内外の子供と笑顔で触れ合う皇后さまの様子などを写したもののほか、両陛下が撮影した初公開の家族のショットも含め約100点が展示されている。また、「着袴の儀」などお子様やお孫様方の成長の折々にしつらえられたボンボニエール(小さな菓子入れ)や檜兜(ひのきかぶと)などの小道具や御料牧場の羊の毛で皇后さま自らが織ったウール布の子供用スーツなど約30点のゆかりの品々も合わせて紹介している。

 両陛下の身近にいる人たちから聞いた秘話も載せた同庁侍従職監修の写真集も会場で発売されている。午前10時の開場と同時に訪れた世田谷区の主婦(60)は、「美智子さまが好きで見に来ました。ご公務を優先する皇后さまの姿勢が写真の並べ方にもにじみでています」と感想を語っていた。同展は27日まで、無料。

 同時に、この間あるサイトで衝撃を受けたことを思い出した。ブックマークをつけ忘れていたため、そのサイトを見失ってしまったのだが、再発見したので、以下にご紹介する。こちらには多数の写真とその説明が掲載されているので、直接訪問頂きたい。

雅子妃殿下は"ご病気”以前から問題言動が多く,今も"ご病気"と無関係な問題言動が多い
 雅子皇太子妃・皇太子御一家の現状は"第二の女系天皇問題"
(前略)
↓1987年12月20日付けの日刊スポーツで報じられたそうです.
この指先の振る舞いは品格を疑います.jpg
↑この指先の振る舞いは品格を疑います.

(中略)

↓「衣装ストーカー」と揶揄されている行為.紀子妃殿下あるいは来賓と同じ服装.マナーとは相手や周囲を不快にさせないのが基本のはずだが…
衣装ストーカー.jpg

(後略)

 上記事実を知った上で、下記記事を読むと、左巻きも、右巻きも関係なく皇室問題に詳しい西尾先生が憂えてることを理解できるのではなかろうか。

『皇太子さまへの御忠言』のその後 (一)
 西尾幹二のインターネット日録
 『皇太子さまへの御忠言』が刊行された直後、それはまだ『WiLL』10月号に私の「連載で言い残したこと」が載っている最中であったが、テレビ朝日の夜中の番組「朝まで生テレビ」(8月29日ー30日)に出演した。雑誌連載に対しても、本に対しても、テレビ出演に対しても、各方面から、ご批判やらご感想やらを多数いただいた。

 活字になったものについては、必要な対応は活字の世界ではたしたし、またこれからも、時に応じて雑誌論文のなかで言及するかもしれない。ただ、もう当分のあいだこの分野で新しい働きかけや大きな思想展開をするつもりはない。悠仁親王殿下の帝王教育の方針や内容について発言せよ、ということを言うかたもおられたが、それは私の任ではない。

 これからはわが国のアメリカの呪縛からの解放が少しずつすすむだろう。大東亜戦争の位置ずけはいまも変わりつつあるが、もっと大幅に変化するであろう。いままでのように、戦後史の見直しといっても、戦後の立場から戦後を見直すといったレベル――例えば『文芸春秋』10月号の座談会「新・東京裁判批判」など――は、早晩、否定され、乗り越えられていくであろう。

 戦後の皇室はアメリカに庇護された平和体制といわば一体となってきた。日本列島におけるアメリカのプレゼンスが小さくなるにつれ、支配構造も変わるし、国民の政治意識も変わると思う。どんな風に変わるかは勿論わからない。

 ただ国民の皇室への期待や希望もそれに応じて今とは変わり、皇室自身も過去の歴史においてそうであったように、柔軟に対応の姿勢を変えてくるであろう。

 何年か先か、何十年か先か、それはわからない。私の投じた一石はかならずやそのとき回顧され、あれが曲がり角であったと思い出されるに相違ない。それが幸福への回路か、不幸への坂道かはもとより予想のつく話ではない。だから当分、私のほうから新しい大きな手を打つつもりはないのである。ただ小さな感想はいくらも思い浮かぶし、寄せられた面白い言葉やふと眼にして、ご紹介したいと思う記事にはこれからも多分出会うであろう。

 そこで、9月に私のテレビ出演や書物に対して語られたネットの中の言葉を、ご承諾をいただいて、順次掲示してみたいと思う。まず最初は「カトリックせいかつ。」さんのブログからである。このかたのご文章は、以前当ブログで、感銘をうけてご紹介したことがある。そして、『WiLL』6月号にも転載された。

 今度のご文章もバランスがよく、私を意識しないで勝手に、自由に書かれているところがありがたい。内容はこのかたの思想であって、私がひとつひとつについて、賛成だとも反対だとも言っているわけでないことは当然ながらご了解いただきたい。


2008-09-01 朝まで生テレビ
 生まれて初めて『朝まで生テレビ』という討論番組を見た。といっても起きて見ていることができないので、録画して土曜の朝に見た。

 ついにテレビで皇室問題を取り上げるというので、西尾幹二先生ファンのねらーの皆さんからも期待と不安をもって見守られていたが、全体の構成として、私は(初めて見たせいかもしれないが)それほど悪くはなかったんじゃないかなという気がした。東宮問題でよく取り上げられていること、たとえば雅子妃が病気療養中となっている最中、高級外食に頻繁に出回っていることや、皇太子の次期天皇としての自覚の薄さや資質の問題などが、ちゃんと放送されたことの意義は大きいと思う。でも、雅子妃の実家の小和田家のことまでもっと言及してほしいという物足りなさは残った。

 田原総一朗というジャーナリストが左巻きの人で、しかもものすごく旧態依然とした皇室観の持ち主だということは最初の10分ですぐ知れた。と同時に憲法9条に固執する人たちのアタマの堅さにも恐れ入った。天皇を厚く敬うことがすなわち軍国主義への特急列車だという発想から未だに一歩も出られないというのがすごい。ただ、左巻きの人たちと思しき中にも両陛下へ対する敬意がいくらかでも見られたのは嬉しかった。また、田原司会者が特殊な思想の持ち主でありながらも、議論の中心役となって、誰からの意見もまんべんなく拾える技量はさすがだと思った。私はこういう番組ってもっと、オレがオレがの人たちでまとまらなくなり、声の大きいほうが勝つみたいな顛末になるのかと思っていたのだ。国会の議場で起こる見苦しい野次や乱闘騒ぎとは雲泥の差で、紳士的な大人の議論場だという感じがよかった。

 さて、西尾先生はその中でも主役である。『WiLL』に掲げられた「皇太子さまへ敢えてご忠言申し上げます」の寄稿が今回の番組のきっかけなのだから当然だ。だが発言回数はそんなに多くはなかった。平田氏(アジア太平洋人権協議会代表)や、高森氏(日本文化総合研究所代表)といった人々のほうが、むしろ積極的に問題点をついていた。静岡福祉大の高橋先生は、昨今の東宮記事でコメントを出す方として有名。この方は女帝推進(容認?)派だそうだが、現在の東宮家には批判的というスタンスが面白い。

 雑誌で有名なコメンテーターとしては、精神科医の斉藤&香山両氏がいるが、この人たちは雅子妃の病気とその治療についてしぶしぶながら(?)説明させられていた。斉藤氏の、「外国へ10年でも療養に行けば・・・」という説には仰天だったけれど、そしてそれを西尾先生も「あまりに同情的すぎる」とお怒りだったけれど、仕方ないんじゃないだろうか。この二人はどこまでも、医者としての意見しか言えないし、それを超えたら越権になる。少なくとも雑誌やテレビの場でこの人たちが呼ばれるときは精神科医としてであるから。日本の皇太子妃や皇后が、あるいは皇太子もしくは天皇になった際の夫君をまじえて、外国でしか治り得ない治療にあたるということは、ありえないし許されないものだ。だけれど、この医師たちが呼ばれて話をする以上、精神科的見地からしか意見を述べるわけにはいかないのだ。つまり呼んだってしょうがないってことなんだけれども。だって雅子妃が病気かどうかなんて誰も知らないんだから。

 上杉氏というジャーナリストが、誰も皇室の実態を知らずにいる中で議論をするのはナンセンスである、という発言を後半にしていた。しかしそれは、あの場でも反論されていたように、皇族の行動や肉声の発言から拾える情報で、十分ではないかもしれないがある程度察せられることを元にしていると思う。ジャーナリストらしく、事実をきちんと書き起こしたものが必要だというなら、「新ドス子の事件簿」というホームページをご紹介したい。雅子妃の動静が、宮内庁発表のものから一般人の目撃証言にいたるまで網羅され、毎月の出入りの様子が一覧表になっている。東宮家が問題だといっている多くの人たちは、憶測や好き嫌いでものを言っているのではない。むしろ、雅子妃に同情的な人たちこそ、よくよく現状を知ってから意見して欲しいと思うのだ。雅子妃が外務省の将来有望なキャリア女性だったなどという幻想が前提ではないか。そこらへんも西尾先生が地雷発言されて、パネラーの全員が「あ〜あ、それ言っちゃった」という顔をしたときがいちばん面白かったけれども。

 いまどき不敬なんていう言葉は死語だ、などと発言した人がいた。週刊金曜日に関与した矢崎氏というジャーナリストだったと思うが、死語だろうか? そういう人に限って、イマドキの若者は礼儀知らずだとかいうんだろうと思う。皇室に名誉毀損で訴える権利があるかどうかという議論より前に、生まれたばかりの赤子をサルにたとえるような、皇后という地位は別にしても、年配女性のファッションを茶化すような下品きわまるパフォーマンスを言論の自由などと言ってほしくない。法的権利以前の、人間としての節度、常識の問題である。また、これもやはり同じ矢崎氏が、日本には言論の自由がないと発言していた。その根拠に、この番組に出るのに、怖い人たちに脅されるからとかなんとか言っていたが、あまりに認識が(私と)違いすぎてびっくりした。本当に言論の自由のない国というのは、戦時下の日本のような状態を言う。右翼に脅迫されることと、官憲が家まで現れてしょっぴかれるのとは大違いである。右翼が脅しに来れば、それが事実なら警察はちゃんと守ってくれるではないか。雑誌に検閲がかかって発刊を止められるということもほとんどない。皇室を平気で貶めるような下劣な演劇集団に関与している人間が、同じ口で言論の自由がないなどといえる立場かと腹立たしかった。きっとこの人たちは田原氏も含めてものすごく地頭がいいだろうし、知識も豊富だと思うのに、こんな簡単なこともわからないのかと不思議にすら思える。

 皇室の祈りについても言及されており、祭祀を拒否する雅子妃のことも問題視されていた。祭祀を公務だと勘違いしているパネラーには驚いた。宮中祭祀は天皇家の私的行為として位置づけられていることは常識の範囲内だ。一般学生の回答ならいざしらず、そんなことも知らない人間はこの議論に招かれる資格はない。確かに、祭祀は天皇の行うものだし、そこへ連なる皇族はただの陪席ともいえるが、深夜や早朝、潔斎して祈られる陛下の傍らで、心を合わせて祈る皇后陛下がいてこそ、日本の安寧は守られていると信じている多くの日本人がいることは事実だ。カトリックで言えば、マリア様の役割をされているのが皇后陛下なのだと思う。カトリック信者はマリア様の祈りに強められ、励ましをもらいながら信仰に努める。マリア信心は正確に言えば教義ではないし、ミサの中で聖母マリアという言葉が出てくるのは1、2度程度で、公的な意味合いは非常に薄い。にも関わらずマリア様なしの祈りの生活というのは、信者にとってもはや考えられない。天皇が祈っているというのに、自分は別とばかりに違う行動をする后がいたためしがあったろうか。日本史上もっとも奔放な中宮だった待賢門院璋子でさえ、禁中の行事には従った。雅子妃がそんな有様だとすると、現代人だからでは済まされない皇室の伝統の破壊である。

 思えば・・・雅子さまという方がこの15年間に、日本人や日本の国のために、何かなさったことがあったろうか。カトリックに傾倒しているんじゃないかと疑われたこともある美智子皇后さまは、和歌をよくし、古事記や日本書紀を深く読まれ、何より日本人のすべてに心を寄せられていることがわかる。子ども時代の紀宮さまを連れて、母と娘の小旅行をされたときも、毎回必ず、日本の歴史と伝統に深くかかわりのある場所を選ばれていた。その上ほとんどの回で神社へお詣でになっていて、それも庶民の我々がお賽銭を投げて柏手を打つような簡単なものではなく、ちゃんとローブモンタントを召された姿で、オーソドックスにお参りされる姿をきちんと娘の眼に焼き付けておいでだったのである。

 然るに、雅子さまの口から出るのはいつでも必ず外国、外国。古事記と日本書紀の違いも、いつ書かれてどういう特徴があるのかすらもあの方は知らないような気がする。和歌もダメ、邦楽や日本画にも関心薄く、食べ物の好みがオール洋食という雅子妃である。日本に心を寄せるどころか、自分を苦しめ、傷つけたという恨みすら持っているふしもある。娘の言葉の練習をABCから始めようとしたというまでの徹底した外国礼賛だ。お宅の娘さんの父親は日本人じゃないんですかと聞きたい。娘時代、父親が外務官僚で外国へ行くことが当たり前の生活だったと記者会見でも述べていたが、その意味するところは、「外国に行ける生活すなわちお金持ち、ハイクラス」という俗な認識で成り立っていることが明らかである。華美な生活を誇示することで自分をよく見せようという発想ほど、逆に貧しく見えるものはない。皇室の価値観とは真逆の思想である。

 いまも那須で引き続きご静養中のご静養を続けておられる妃殿下、宵っぱりで徹夜にも強いそうですので、『朝まで生テレビ』をご覧になることもお出来になれそうですね。どうかこういう世論を知って、身を正すか、あるいは皇室ときっぱり縁を切って下さい。適応障害になりそうなのは、あなたのような方を皇后として見なければならない日本国民のほうです。

カトリックせいかつ。」より

 徹夜にも強いそうな雅子妃が、次の『「療養生活まる5年」孤独なプリンセス 午前零時に散歩する雅子さま』という記事で何を書かれているかが気になった次第である。

サンデー毎日 11月2日号
サンデー毎日top.jpg

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2008年09月28日

中山成彬国交相の発言は、しごく真っ当

 我が国が今日のように発展した原動力の一つは、江戸時代における士農工商の世襲制をやめて、人材の流動性を高め、平民でも優秀であれば、重要な職業につけるようにしたことにあると考える。事実、明治維新以降の殖産興業が成功したのは当時知的階級であった武士層が転職したからであった。平民には西洋技術を吸収するための洋書を読みこなす力がなかったのである。
 一方、当時最先端を走っていたヨーロッパは、現在、伸び悩んでいる。そこには日本人が考える以上に階級社会が根強く残っていることも大きな要因である。
 このようなことから、世襲に意味のない業種の世襲制を極力なくし、人材の流動性を高めることが社会発展に寄与することがわかる。しかし、我が国の大事な教育機関にも世襲制度が残っているようだ。この教職員の採用方法に問題提起した中山成彬国交相発言をマスコミは否定的であるが、真っ当な発言だと思う。

<中山国交相>発言に抗議相次ぐ 「大臣の資質疑う」
 毎日jp【柳澤一男、三木陽介、高山純二】2008年9月27日 00時05分
●日教組 

 「日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低いんだよ」とさんざんな言われようをした日教組と大分県。日教組は26日、幹部が中村譲・中央執行委員長名で「(発言は)なんの根拠も持たない。謝罪と辞任を求める」とする抗議文を手渡しに国交省に出向いた。しかし「大臣の時間がない」と本人との面会を断られた。岡本泰良書記長は怒りをあらわにした。

 大分県教委の小矢文則教育長は県庁で報道陣に「発言についてのコメントは控える」としつつ「事件があった当事者なので、いろいろな批判をいただくことが多いが、払拭するためには成果を出すしかない」と控えめにコメントした。

 文部科学省でも、かつてのトップの失言に困惑の色が広がった。中山国交相は文科相時代の04年に全国学力テスト復活を提案した本人。そのテストの実施目的について「日教組の強いところは学力が低いんじゃないかと思ったから」との発言に、職員は「なぜあんなことを言ったのか分からない」とうめいた。

 また、中山成彬国交相のすばらしい発言要旨は、こちら。

<中山国交相>「日教組ぶっこわす」宮崎での発言要旨
 毎日jp 2008年9月27日 21時53分
 ◇中山成彬国交相・宮崎市での発言要旨

 ●日教組について

 日教組については、いろいろ言いたいことがある。大臣になって一番大事な仕事は、美しい古里と、安心・安全で住むことができる国土を子や孫たちにバトンタッチすること。今の日本を子供たちにこんな状態でバトンタッチしていいか。そういう強い気持ちがある。さまざまな犯罪が起こっている。あるいは親殺しとか。それは教育に問題があった。特に日教組。何より問題なのは「内心の自由に立ち入らない」と言って、道徳教育に反対する。何とか日教組を解体しなければいかんと思っている。小泉さん流に言えば「日教組をぶっこわす」。この運動の先頭に立つ思いでいる。

 ●民主党について

 これ(日教組)が民主党の最大の支持母体。支持母体と言えば、社保庁もそうだ。社保庁というのは自治労が非常に強い組合。こういう仕事をしない人があの年金記録の未処理問題につながっている。民主党が「政権選挙」といってるが、官公庁の組合に支えられている民主党が政権を取ったらどうなるのか。

 民主党は本当にひどいこといっている。中学3年生まで児童手当。(財源が)あればいいが、総額4・5兆円から5兆円。消費税2%分だ。高速道路も無料にするという。公約に財源があるのか、民主の公約は「公約偽装」である。小沢民主党も解体しないといけない。

 マスコミが、問題ではない中山成彬国交相発言を無理やり問題化し、次の「左翼、日教組の支持者を不正採用してきたこと」を擁護しているように見える。

大分県の教師不正採用事件、一体誰が主犯なのか
 新聞の宅配問題  平成20年9月27日
 8月31日の読売新聞は、「大分県教委 採用取り消し」、「多くの対象者 反発」、「今年度分だけ 不公平」という見出しで、次のように報じていました。

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 採用試験をめぐる汚職事件を受け、今年度採用された教員のうち21人の「取り消し」を決めた大分県教委。30日には退職済みの1人を除く対象者全員と面談を実施したが、「私は不正を頼んだ覚えはない」などと猛反発を招いた。

 ・・・「どの教師も納得してくれなかった。採用試験の点数改竄は元県教委の幹部がしたことなので、とにかく謝罪を続けるしかない」・・・。

 取り消し対象の教師も希望すれば臨時講師として10月以降に再雇用されるが、勤務場所は未定で、9月中は混乱が避けられない情勢だ。

 ・・・穂坂邦夫・前埼玉県志木市長も次のように批判している。「採用に関する不正は長年続いてきたとされるのに、今年度分だけ対象となるのは公平性に欠ける。採用主体である教育委員会の責任こそ問われるべきではないか」

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 教師らは、「不正を頼んだ覚えはない」と言っていますが、それでは一体誰が、何のために不正を働いたのでしょうか。当たり前のことですが、不正とか犯罪とかは(恨みによる場合とか政治犯罪等を除いて)、経済的な利益を目的に行われるものです。犯罪の結果誰が利益を得たかを確認すれば、主犯が誰かは自ずから明らかになると言うものです。



 今回の犯罪での最大の受益者は不正採用された教師達です。50万円、100万円程度の商品券などを受け取った者達ではありません。生涯安定した身分と高収入、高額の退職金と年金を得る不正採用教師自身であることは明白です。主犯が教師自身であることは明白と言うべきです。それにもかかわらず主犯が教委幹部達であるかの如き報道は、話のすり替えです。教師達は、「知らなかった」などという言い訳が、通用すると思っているのでしょうか。



 もし、これらの不正行為が経済的利益を目的としたものではなく、従って教師の個人的責任を問えないと言うのであれば、一体これらの犯罪は誰が何のために起こしたものなのでしょうか。読売新聞や教育評論家穂坂氏が彼等を主犯としないのであれば、誰が主犯なのかを明らかにすべきだと思います。

 今回の一連の報道を追っていて、ひとつ不可解なことがあります。それは、日教組の反応が全く報じられていないことです。教育に関わる重大な不正事件に接して、日頃政治問題に声を大にして発言している彼等が、なぜ今回の事件に関して沈黙を守っているのでしょうか。



 今年7月17日の読売新聞は、「[スキャナー]大分不正採用教員 「解雇」根拠は何? どこまで…見通し立たず」という見出しで次のように報じていました。

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 教員採用試験を巡る汚職事件に絡み、16日、不正な手段で合格した教員全員の採用取り消しを決定した大分県教委。なぜ不正の全貌(ぜんぼう)が明らかにならない段階で、「過去に例を見ない」(文部科学省)という厳しい措置を打ち出したのか。・・・

 ただ、法曹界の中には、この判断を疑問視する声もある。あるベテラン民事裁判官は、地公法が「懲戒、分限の理由がなければ意に反して免職されない」との身分保障規定を明文化していることを挙げたうえで、「合格ラインに達しなかったからといって一律に取り消すのは難しいのではないか」と指摘。労働紛争に詳しい岩本充史弁護士も「不正な採用だから直ちに適格性を欠くとは言えず、懲戒免職も本人が不正を認識していたケースに限られるのではないか」と語った。

 県教委が採用の取り消しに踏み切った場合、その対象者は県に対し、教員としての地位の確認を求める裁判を起こすこともできる。日本労働弁護団の菊池紘弁護士は「県教委の組織的不正が原因なのだから、不正のつけを受験者だけに負わせるのはおかしい。取り消しが容認されるのは大幅に得点がかさ上げされるなど、極めて不公正なケースに限られるはず」と話した

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 労働問題の専門家達が、早くもこの段階で不正に採用されたもの達を擁護し、かつ、読売新聞が彼等の主張を紹介していることは、不正は単なる個人の問題でないことを窺わせます。そうであれば、残る動機は「政治的目的」しか考えられません。政治的動機とは、左翼、日教組の支持者を採用するということが考えられますが、そうであれば読売新聞は事件の背景を明確に報じるべきだと思います。


 左翼、日教組の支持者が不正採用されるので、日教組は、権力を維持することができる。いくら道徳教育を要請しても日教組に阻まれて、倫理観を持った人間を育成することが困難となり、社会が劣化する。次のような残念な結果も、何が正しいことなのかを判断できなくなった社会劣化の現れであろう。

中山国土交通相が辞任へ
 [東京 27日 ロイター]2008年 09月 28日 07:39 JST
 NHKなど国内各メディアは27日夜、中山成彬国土交通相が28日に辞任すると報道した。中山国交相は就任直後のインタビューで、日本教職員組合の強い地方は学力が低いと思うと発言したほか、成田空港の滑走路が1本なのは「ごね得」などと発言していた。

 これら発言に対し、民主党など野党が強く反発。麻生太郎首相による罷免か辞任を求めていたほか、連立与党の公明党からも強い批判が出ていた。

 共同などによると、こうした中で中山国交相は27日、宮崎市内で「日教組を何とか解体しなければならない」と発言し、日教組への批判を繰り返した。27日夜に羽田空港で記者団に対して「自分の出処進退は、自分で決める」と述べていた。

 公明党の山口那津男政調会長は27日のTBSのテレビ番組で「本当に不適切極まりない。とんでもない発言だ」と、与党として異例の強い批判を展開していた。

 とりあえず誰が抵抗勢力なのかを記憶にとどめたい。

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